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巨乳女体育教師の相談事情
【教師 官能小説】

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再会からの始まり-1

 都内某所にある私立同明高等学校――。数年前までは一般的な私立高校という認識であった。が、昨今は教育方針を大幅に変えて、進学校並に授業の速さを上げた。その結果、生徒らは勉学第一の思想が広まり成績は全体的には上昇。卒業後の進路は有名大学への進学する生徒を多数輩出するようになった。

 事実、公立高校の入学試験に落ちた生徒らの滑り止めとしても有効な選択肢の一つとして非常に知名度を上げており、生徒からも保護者からも人気が上昇していた。

 しかし、それはあくまでもこの学校を外から見た様子であり、実際の内情は通っている当人らしかわからないのである。


 7月の上旬。降り注ぐ太陽光が、夏の蒸し暑さを生み出して外での活動を億劫にさせる。

 場所は私立同明高等学校の校舎2階。ちょうど真ん中辺りに位置している2年C組の教室。

 時間は昼休みと呼ばれる昼食の時間。本来ならばその日の日程の中でも一番教室内が活気に満ちているはずの憩いの時間だ。
 
 しかし、このクラスの男子生徒である北森総一は、廊下側一番後ろの自身の席から顔を歪ませていた。

 総一は、勉学は下の上でおおよそ優等生とは程遠い。顔はそこそこだが、見た目が冴えないので女子ウケするようなタイプではない。おまけに、現クラス内では交友関係はほとんどない。いわゆる陰キャ男子というカテゴリーだが、中学時代はそこまで暗くはなくむしろ明るい部類だった。ここでの学校生活のおかげで変わってしまったという、環境による変化だった。

 彼が着ているのは、周囲の男生徒同様に制服は夏服。半袖のワイシャツに、黒い長ズボンという格好だ。ズボンだけは冬服と同じで見た目の違いは一見するとないが、通気性がいい生地を使っているので快適に過ごせるようになっているのだ。

 総一の机の上には今朝方寮の自分の部屋で作ってきた銀色の弁当箱が箸セットと一緒に置いてある。メインは玉子焼きとからあげを作ってきた。今朝方自分で作ったので当然、すっかり冷めているし、お腹も空いているので早く弁当を食べたいところだ。

 そんな総一が何故顔を歪ませてまで弁当を食べることを躊躇しているいるかといえば、それはクラスの内情が原因であった。

「沙織の奴、最近彼氏できたからって図に乗りすぎだよね」

「ホント、成績落ちても同情できないね」

 近くの女子生徒らが教室に居ない他の女子生徒の陰口で盛り上がっている。

「ああ、田中の奴来月には早く消えてくれないかな。あいついなくなれば成績上がるのに」

「いや、清水の方が邪魔だろ。電柱に激突してそのまま骨折してしまえばいいのにな」

 男子生徒も同じだ。昼食時は憩いの時間のはずが、他人の悪口で盛り上がっている。こんな会話が教室中至るところから聞こえてくれば直接は馬鹿にされなくても精神的に参ってしまうのは仕方がないことだろう。

 本来、私立高校ならばある程度自由なイメージではある。が、この私立同明高等学校は進学校並に授業方針を転換した結果、生徒らから勉学第一の思想が生まれた。そのおかげで全体の成績自体は全国平均よりも上になったのだが、生徒らの心は荒み他人に対して思いやりの心が消えていった。

 勉学第一の風潮はこの教室だけという訳ではない。1年生の頃から徹底的にこの思想が教え込まれて雰囲気はこうだった。

「‥‥‥‥」

 そんなギスギスした教室に居るのは総一にとってまるで監獄にでも居るような錯覚すらあった。

「(駄目だ。気分転換に屋上でご飯食べよう)」

 総一は銀色の弁当箱と箸ケースを持つと、席から立ちあがる。
 
 イスの引いた音で一瞬だけ教室中から注目を浴びるが、総一は気にすることなく教室の後ろの開いている引き戸から出て行った。


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