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わたしと先生とK子の物語
【熟女/人妻 官能小説】

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なれそめ-1

 夏休みも近づき新聞には進学教室の夏期講習のチラシが折り込まれるようになりました。手元に何枚か集まったところでK子に訊いてみます。娘のK子は高校受験を控える中学校三年生です。

 「夏期講習…いろいろあるみたいだけど、どれか行ってみる?」

 K子はチラシを手に取って見比べています。

 「〇山さんのお姉さんが家庭教師頼んでたよね」
 「ああ、そうだったわね」

 お向かいの〇山さんがお嬢さんに家庭教師をつけていたことを思い出しました。

 「お姉さん、△△学園に行ったじゃない? わたしも頑張れば行けるかもってちょっと思ってて。中間テスト、結構よかったじゃない? この前、先生もそんなこと言ってたのよね」
 「そうなの? 〇山さんにちょっと訊いてみようかしら」

 〇山さんの奥さんを訪ねます。家庭教師は□□大学の学生さんだったそうです。奥さんのお知り合いが大学に勤めていて、掲示板に貼り紙を貼って募集してくれたとのことでした。

 「先生は男の学生さん…でしたよね?」
 「そうそう。準ミスター□□だとかって言って、勉強の方は大丈夫なのかしら? なんて思ったけど、まあまあ役に立った感じだったわよ。奥さんも男子希望?」
 「いえ…そんな訳じゃ…」

 話があらぬ方向へ行ってしまって、おかしな質問をしてしまったと恥ずかしくなりました。

 「何ならすぐにでも連絡してあげるわよ」
 「夫と相談してみますね」

 その日の夜、夫と相談して家庭教師を募集してみることにして、次の日、〇山さんの奥さんにお願いしに行きました。奥さんが(こんな感じでいいかしら)とメモをくれました。

 <中学三年生。高校受験の勉強を見てくださる方。週一回、二時間程度。月謝は応相談。□〇市▽□町>

 「女の子って書いておかなくていいですか」
 「あら、そんなことわざわざ書かない方がいいわよ。お嬢さんにちょっかい出されても困るでしょ。中にはそんな学生もいなくはないみたいだから。ああ、そうだ、それこそ女子学生限定とかって書いておかなくていい?」
 「いえ…そこはどちらでも…」
 「そうよね。会ってみて違うな…って思ったら断っちゃえばいいんだから」
 「はい。よろしくお願いします」
 「まあ、わたしなんかは、若い男の子が家に来てくれるのはそれなりに楽しかったけど。決まったら見に行ってもいいかしら?」
 「まあ…」
  
 数日後に〇山さんから連絡がありました。□□大学の学生から問い合わせがあったそうです。大学三年生の男子とのことでした。K子にそのことを話すと『お母さんに任せるよ』とのことでしたので、わたしは〇山さんに連絡をして、一度家に来てもらうよう手配していただきました。

 七月のはじめ頃に日にちを決めて、彼が家に来ました。彼はおとなしそうな外見で家庭教師の経験も何度かあるとのことでした。わたしは、K子の成績のことや、学校の先生が『頑張れば△△学園も狙えるかもしれない』と言ってくれていることを伝えました。こちらから話しかけないと口を開かない感じでしたが、受け答えは普通にしっかりしていて、慎重な性格がそうさせているように思えました。

 大学では特にサークルに入っている訳でもなく、来年の卒業論文の作成に向けて図書館に通ったりしていることが多いとのことでした。青春を謳歌しているような今どきの学生のような華やかさはありませんでしたが、娘を預ける側からすると、家庭教師然とした雰囲気はかえって好ましく思えました。

 お月謝は特に希望する金額はないとのことでしたが、今までの家庭教師ではだいたいいくらくらいだったということを教えてくれましたので、その辺の額にすることにし、毎週一回家に来てくれることになりました。

 「では、来週からK子をよろしくお願いいたします」
 「よろしくお願いします」

 彼が帰っていったあと、〇山さんの奥さんを訪ねてお礼を言いました。

 「よさそうな子だった?」
 「家庭教師の経験もあるそうで。おとなしそうな人でしたけど」
 「おとなしいぐらいがいいのよ、きっと。あんまりペラペラおしゃべりな男の子でもねぇ…。じゃ、貼り紙は御用済みって伝えておくわね」

 次の週、先生が家に来られました。どのようにお迎えすればいいのかわかりませんでしたが、とりあえず花でも飾っておこうかと、玄関の靴箱の上に花瓶を置いて、お花屋さんから買って来た花を活けてみました。お花をちょっと多く買い過ぎてしまいました。余ったお花をリビングにも飾りました。

 中学校からK子が帰ってきました。

 「先生が来るからってお花なんか活けちゃって。お母さんのお眼鏡にかなった人なら大丈夫だね」
 「そうだといいけど」
 「本当は確信してるんでしょ。お花見ればわかるよ。玄関にもリビングにもいっぱい」
 「もう…あなたの先生なのよ」
 「おとなしめの人かぁ…。〇山さんの家の家庭教師さんはちょっとチャラチャラした感じだったから、いいかもね」

 K子が笑いながら自分の部屋に行きました。あまり意識もしていませんでしたが、言われてみると、今日活けた花はちょっと派手だったかもしれません。わたしの心情を見抜いているかのようなK子がちょっぴり頼もしく思えました。


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