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わたしと先生とK子の物語
【熟女/人妻 官能小説】

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なれそめ-4

 「△△学園に受かったのはよかったですね。最初の志望校より、通学も楽でしょうし」

 先生の唇に白くまとわりつくクリームとそれを舐めとる先生のピンク色の舌に視線を引き付けられます。

 「あまり自由な時間ができてしまうのもよくないと思っているんです。一生懸命勉強していた分、変に時間ができたらだらけてしまうような気がして…」

 K子が合格したというのに、先生との縁が切れてしまうことへの心配が先に立ってしまい、K子のことを心配してみせます。先生にも同意してほしいのです。

 「先生もそうお思いになりません? 心配し過ぎかしら…」
 「K子ちゃんは決して遊び惚けたりはしないと思いますよ」
 「そうだといいのですけど…」

 先生がショートケーキを平らげティーカップを口に運んでいます。

 「K子ちゃんに限っておっしゃるような心配は要らないと思いますが…。高校でも一生懸命勉強するんじゃないですか? なにせ真面目ですから」

 合格の報告を聞いたばかりで、あらぬ心配ばかりしている母親が解せないような雰囲気の先生。K子は真面目だから…と繰り返すばかりです。

 「真面目な分だけ反動が来たらいけないでしょ…。△△学園に運よく入れたのはいいけれど周りはみんなできる子ばっかりでしょうし…」

 そう言って間を持たせながらも、もう遠回しな言い方では先生に届きそうもありません。

 「それで、高校に入っても先生にお勉強見ていただけないかと思っているのですけど…」

 わたしは先生の返事を待ちますが、先生は黙り込んでしまいました。今日この場でしつこく食い下がるのはいい結果につながらなさそうです。先生も大学を卒業する年を迎えます。就職活動もあるでしょうし…『論文の作成に取り組んでいます』ともおっしゃっていました。

 「あまりわがままばかり申し上げてもいけませんね…。先生もいよいよ論文を仕上げないといけないのですものね?」

 しつこい自分を自覚しているわたしは話を切り上げることにしました。

 「あまり無理をお願いしてもご迷惑でしょうし…これ、お月謝です」

 先生に用意していた封筒を渡します。

 「ありがとうございます…あれ? なんだかお月謝随分弾んでくれてないですか…?」

 今回はお礼も込めて多めに入れさせていただきました。今後も家庭教師を続けていただけるように…との下心があったのはもちろんです。

 「いえ、いいんですよ…ほんの気持ちだけ入れさせていただきました。K子のこと、すごくよく面倒を見ていただいて本当にありがとうございました」

 かえって下心が透けてしまうようなことまで言いながら、先生にお礼を言います。

 「K子ちゃんが頑張っただけですよ」

 最後まで先生は控えめです。

 「男の方がお家に来られるってはじめてだったので、ちょっと心配もしていたのですけど、いい先生が来てくださって本当によかったと思っているんです」

 本心だけはそれとなく伝えたいと思いました。

 「いえ…そんな。それほどでもないです」

 それほどでもないなんていうことはないのです。わたしの淫らな夢の中の話のことではありますけど…。

 「主人も先生に『直接お礼が言いたい』と申していたのですけど、なにせ忙しい人で…。わたしたちにできることがあったらお手伝いさせていただきますから、何でもおっしゃってくださいね…」

 話は打ち切ったつもりでも、未練がましいことを言ってしまいます。

 「ありがとうございます…。いっぱい弾んでいただいたみたいなので論文のための文献もいっぱい買えそうです」
 「本当に遠慮なく…。わたしも、K子が進学したらもっと時間ができるし。何かしないとだらだらしちゃうから…」
 「はい? あ、ありがとうございます」

 明らかに意味を取りかねた…というような先生。一瞬、不思議そうな顔をしてわたしを見詰めます。

 「ありがとうございます…。今日はK子ちゃんに会えなくて残念でしたが、高校生活も頑張って…とお伝えください」

 わたしは先生とのご縁が切れてしまうのが残念…。

 「お忙しいでしょうけど、家庭教師、続けていただけないか考えてくださいね…」

 席を立った先生を玄関にお送りします。今、先生の背中に抱き着いてしまったら…。そんなことを考えてしまいました。玄関に飾った濃いピンクの色の花はどう思っているのでしょう。

 (やめておくべきよ…いい歳をした女がそんなこと…K子の印象まで悪くなってもいいの?)
 (いいえ…抱き着いてしまいなさい…先生だって子供じゃないのだから…ダメならダメでもう会うこともないだけじゃない?)

 結局、抱き着くような勇気も出せないまま、先生を見送ったのでした。リビングに戻り、わたしは先生のお皿に残るクリームを犬のように舐めました。

 暗くなる頃、K子が帰ってきました。

 「お母さん、先生、何か言ってた?」
 「え?…ああ…別に」
 「やだ…なんだかボンヤリしちゃって…」
 「『K子によろしく』っておっしゃっていたわ」

 K子が高校受験を終えたことを、母親として喜ばなければいけないと思いました。

 「さ、ごはんにしましょう。ああ…デザートにケーキあるから」
 「先生のお裾分けね。うれしっ」


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