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先生は僕らの女王様
【教師 官能小説】

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逆転する関係B-1

*




「二人が、先生のこと……思い続けてたのも知ってた。だけど、言わないって。言ったら関係が崩れるって。でも……あたしからしたら口に出せることさえ羨ましくて………………」

衝撃的な告白を受けてしまい、由美香は何も言えなかった。

彼女はひたすらに自制していたのだ。

もし何かあるとすれば、朝方起きた時に抱きつかれることくらいだった。彼女は同性として、それを男たちに勝る優越感として保持し続けていたのだろう。

「高橋くんと一緒で、他の女の子と寝ても、全然ダメだった……」

声を震わせながら清香は言う。

「だけど、こうしてるだけで良かったのに。高橋くんたち、あんなこと……するから……どんどん、嫌なこと考えちゃったの」

清香はゆっくりと顔をもたげさせる。
瞳が潤んでいるのが、常夜灯の中でわかる。

その顔を見たせいで、由美香は腕を振り払うことができずにいた。

「堀尾くんに、押し倒されて……何されたんですか」

「何も、それ以上は……人の家で強引なことしないでって」

「ーー抱きしめても、それ以上のことしたくても、あたし……ずっと我慢してたのに」

清香の目から涙が零れて、ぐすっ、ぐすっと鼻をすする音がする。
由美香の背中に回している手をずらし、顔の涙を清香は拭う。

いつから思われていたかは知らないが、思いを隠し続け、さらには同性愛者であるゆえに、同僚にも吐露することができなかったという事実。

だから、声だけでも、と……

それがひどいことだと清香は理解しつつ、そうせざるを得ない心情に、由美香の心がぐらぐらと揺れる。

そんなとき、胸元にあった清香の顔がゆっくりと、由美香の顔へ近づく。

柔らかな弾力が、唇へ触れた。

幾度も押し当てられる。その行為を、一連の流れから抗うことができなかった。

由美香は何も言えず、何もできず、清香の体に手を這わせたまま目を閉じる。
幾度かキスされたあと、震える声で、清香が何度も「ごめんなさい」と呟いた。

由美香は目を開けて、清香の背中を引き寄せ、さする。

「あ、あたし……もし同じこと、好きでもない、女の人でも……されたら……絶対無理……って思っ…………た。ごめんなさ……い」

清香は自分に重ね合わせて、自責の念にかられたようだ。

ベッドの端に寄せてあるティッシュボックスから、由美香は数枚ティッシュを引き抜き、渡す。

「怒ってないよ。大丈夫」

涙をふいたティッシュを清香はベッドの端に放ると、再び由美香の体を抱きしめる。

「我慢してくれてたんだね。……あたしも好きな人と一緒に寝てるのに何もできない状況なら、きっとどきどきしちゃう」

「ずっと、我慢してました……。我慢してたのに……高橋くんと堀尾くん……あんな……こと…………先生の声だけ……聞こえて」


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