逆転する関係B-6
「んん、先生の舌……すごく、エッチ……キスしてるだけで、おかしくなっちゃうよ」
恥ずかしくなって、清香は唇を離し、由美香の耳元でつぶやく。
「やだ……みんな同じでしょ……?」
由美香は、はぁっと吐息を漏らしつつ、清香の背中をさする。
清香は我慢できなくなって、目の前の耳に舌を伸ばした。
「……ぁ、んっ」
由美香の耳の、軟骨部分は柔らかく薄く、口の中で難なくしゃぶれる。
「ぁ……ぅ、んん、変な声、出ちゃう……は……ぁ」
清香は両手で由美香の胸をTシャツ越しに触れて、手のひらで乳房の外側を優しく揉みつつ、親指で乳頭に円をゆっくりと描く。
「ん、んぅ、それ、変、にな……っ」
「嫌じゃないですか……? なるべく優しくするけど……不快になったら、言ってください。ちゃんとやめるから」
「やじゃ……な……いよ……」
左耳に与えられる柔らかでねっとりとした愛撫と、乳房に這わされる手のひらの感触は、経験が少ないとはいえ、これまでしたセックスの中で、いちばん優しいものだった。
だがそれは慣れた動きで、清香の女性経験が少なくないことを物語っている。
「せんせ……脱がすね」
Tシャツの裾先に清香は指を触れ、ゆっくりと捲りあげる。
次第に顕になっていく肌。
清香は由美香の裸を見たことがなかった。
脱がせたTシャツを端に放ると、由美香が胸元を隠した。
今は部屋が明るい。
清香はベッドの端にあったリモコンで、室内の明かりを常夜灯へと変えた。
「先生、見られたくない?」
「見られたくないって言うか……恥ずかしい……」
太りにくい体質なのか、由美香の体は身長の割に細かった。
だが、ハイウェストのスカートを纏った彼女の腰、臀部、すらりと伸びた脚はとても色っぽい。
今にも簡単に触れてしまいそうな位置にあるその臀部を、卑猥な目で見た男性教員は少なくないだろうと、清香は思う。
もちろん、清香もそう思った一人だった。
そして、胸は年相応に柔らかく、腕で隠され、寄せられている。
脱がせた時に見えた乳輪は、清香が見たものの中ではあまり大きくないように思った。
「嫌なら、やめます。ちゃんと言って。我慢するから」
「……嫌じゃないよ。ただ……清香ちゃんがすごくスタイルいいから……恥ずかしいだけ。何か思われるかなって」
「あ、そっか……同性だと比べちゃうのか」
普段、女性とベッドを共にする清香は、相手と自分の体の違いを気にすることはあまりなかった。
清香は体を起こして、壁側を向きつつ、身につけているTシャツと、ハーフパンツを脱ぎ出す。
ショーツ一枚を身につけただけになると、また布団に入り込む。
「あたしだけ、服着てたら嫌ですよね」
くすっと笑うと、由美香の額の辺りの髪を撫でて、顕になった額に唇を押し当てる。
すると、胸を隠す腕の片方をそっと伸ばして、由美香は清香のふわふわとした胸に触れる。
「柔らかい……」
思わず由美香は呟く。