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先生は僕らの女王様
【教師 官能小説】

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逆転する関係B-2

由美香は、清香の頬についている涙の筋を親指の先で拭った。

「泣きすぎると、目腫れちゃう」

「いいもん、明日メガネで出勤するから」

明日からいつも通りにできるだろうかーー由美香はそんなことを考えながら、瞼を閉じた。



*



六時五十分。
清香のスマートフォンからアラームが鳴る。

清香はアラームを止めると、いつも通りーーだが罪悪感に苛まされながら、由美香の体に抱きついた。

「ーー先生?」

清香は異変に気づく。
いつもなら抱きしめると、反応があるのに。

エアコンの効いた室内は少し肌寒いくらいなので、清香はいつもすっぽりと布団を被って寝る。
今も、別に暑くはない。

だが由美香のTシャツは濡れて、汗だくだ。

布団を剥がし、キッチンの方へ行くとグラスの中に水を入れて、またベッドの方に行く。
腕の辺りを軽く、叩いた。

「先生? 起きられる?」

「ん……アラーム……鳴った?」

「鳴りました。先生、汗だくです。お水飲めますか」

どうやらアラームに気づかなかったらしい。
由美香はゆっくりと起き上がると、髪の毛を邪魔そうにかきあげた。
グラスを手渡され、水をすぐに飲み干す。

「何で……あたし、こんな汗だく?」

「多分、熱あります。体だるいですか」

「うん、やばいかも」

清香は膝をついて、由美香の背中を左手でさする。
汗だくの体、とろんとした瞳。赤く染った頬。

思わずどきどきしそうになるが、そんな思いを払拭して、清香は立ち上がる。

「先生、今日の講習代講するんで。講習のプリントは、これまでの授業の教材で何とかなるから。うちの家、いてくれますか?」

「そんな……悪いよ。自宅、帰るから……」

「何言ってるんですか。明らかに熱あるのに、こんな真夏の太陽の下歩かせられないです。それにーー先生が家にいると、あたしが嬉しいの。今日はわがまま、言わせてください」

そう言われ、体調が悪いながらスマートフォンで教員用のサイトに飛び、フォームから有給申請を行なったあと、すぐ由美香は眠ってしまったらしい。

目を覚ますと昼を過ぎていた。
喉が痛いとか鼻水が出る、という症状はなかったが、とにかく体がだるかった。
夏休みが明けると、すぐ授業が始まってしまうから、ここ最近少しでも楽をしようと、家でも教材研究ばかりしていたからかもしれない。



何とか重い体を起こして、用を足したり、寝すぎて乾いてしまった口腔内が気持ち悪く、歯を磨いたりした。

ベッドに戻り、再び目を閉じようとすると、ガチャガチャっとドアノブが回る音がした。

まだ昼過ぎだが……

そう思いつつ、布団の中にいると、パタパタとスリッパが床に当たる音がし出す。

「あっつい……」

清香の声がしたあと、荷物を床に置いたり、手を洗ったりする音が聞こえる。


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