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杏奈と健 鏡の中のアンナ
【姉弟相姦 官能小説】

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杏奈と健 〜 鏡の中のアンナ 〜-21

すると母が「あら?意外?」と聞いてきた。

僕は小さな声で「何で?」と聞き返すのが精一杯だった。

「アナタたちが好き合ってることぐらい、知ってたわよ。ずっとあなたたちしか見て来なかったんだから。母親ナメんじゃないわよ。」そう言って笑みを浮べた。

父は「父親もな」と続く。

「素直になればいいのに、って、父さんともいつも話してた。奥手の疎い父さんだって気づくんだもの。きっと誰が見たってあなたたちが好き同士ってわかると思うわよ。」
母は満面の笑みで語りかけてくる。

僕たちはお互いの顔を見合わせて、俯くことしか出来なかった。

すると父が口を挟む。

「姉弟とはいえ、全く血の繋がりはないんだ。お互いがお互いを大切に思い、必要とするなら、それもアリだろって母さんと話していたんだ。
考えてもみろよ。杏奈は女の子として、とても優秀だし、気も利いて頭も切れる。嫁としては最高だろ?
健は責任感があって、努力家。いざとなれば冷静な判断が出来るし、肝も座ってる。こんな立派な婿さん、探したってなかなかいないゾ。」

父はそう言ってソファーに深く腰を降ろした。
母の背中に手をあて、スリスリと擦っている。

そして母が口を開く。

「杏奈がずっと健を想っているのはアナタが高校ぐらいから気づいてたわよ。だって健の大会が近づくとソワソワし始めるし、どんなに小さな大会でも、大会の日は決まって早起きしてイソイソと出て行くんだもん。丸わかり。
アナタ、受験始まるまで、夜、健が走りに出ていくと、そお〜と出て行ってたでしょ? 自転車乗って。知らないとでも思ってた?
たまに玄関で会うとコンビニ行くとか言って、何も持たずに帰ってくるんだもん。バレバレよぉ〜。お父さんだって、また行ったな、って笑ってたのよ。」

母はケラケラと笑いながら続ける。

「健だって陸上始めたのは杏奈に良く思われたいからでしょ?
ちっちゃい頃から姉ちゃん守れるような人間になりたいって、ずっと言ってたものね。
陸上始めてからは大きな大会だと決まって姉ちゃん、オレ頑張るからって、絶対来てくれって、あからさま過ぎでしょうよ。
杏奈が大学入った頃なんて、家帰って来たら姉ちゃんは?姉ちゃんは?って言ってるくせに、杏奈帰って来たら、とたんにそっけなくしてみたり。
そのくせ、チラチラ杏奈の事見てるくせにね。意識しないように無理してたの、ミエミエなんだから。笑っちゃうの堪えるの、大変だったのよ。」

「それに··健がスマホでいつも聴いてる、クラッシックギターの曲。アレ、題名は「鏡の中のアンナ」っていうのよね。
お父さんと買い物行ってる時に偶然車のラジオから流れて来て、題名聞いたとたんに二人で笑ったわよ。ギターに興味持ったんじゃなくて、曲名で好きだったんでしょ? お父さんなんて、渋いの聴くなあと思ってたら、そういう事かぁ···なんて。ねぇ。お父さん。」

母はそう言うと、口に手をあて、笑みを浮べながら父と目を合わせた。
父はウンウンと頷きながら笑みを返していた。

杏奈は「えっ?!」と声を上げて驚き、そして僕の顔を覗き込んだ。

「レース前にアレ聞くと、逸る気持ち抑えられるから···」

僕は益々恥ずかしくなって、肩を窄め、俯いていた。

杏奈は「全部知ってて黙って見てたの?」と聞き返した。

「そりゃあそうだろ。こっちに何か出来る訳でなし。本人同士が気づかなきゃ。でも、あんまり心配はしなかったよ。お前たち、真剣に想い合ってるっていうのは見え隠れしてたからな。」

父はそう言うと母の肩に手を乗せながら笑みを見せていた。

「私たち、あなたたちを信じてるから。」

そう母が言った時だった。
杏奈の瞳から大粒の涙が溢れ落ちた。
僕もつられて涙が出る。

「泣くことじゃないわよ。めでたいんだから。」

そう母が言うと、杏奈は嗚咽を上げて泣き崩れた。

そして母の前で跪き、
「お母さんとお父さんで良かったぁ〜」と母に抱きついた。

僕はそんな杏奈に寄り添って背中を撫でることしか出来なかった。

父は母に向かって
「ベストカップル誕生だな。」
と笑っていた。

「これ以上のカップルなんて、探してもいないでしょ。」
母は父の目を見つめながら笑顔でそう答え、杏奈の頭を撫で始めた。

「ありがとう。父さん。母さん。」
僕は流れる涙を拭いながら感謝の気持ちを素直に口にした。

「お互いを大切にな。あ、でも学生結婚はダメだゾ。ちゃんと社会に出てからだからな。」
そう父が念を押してくると

「ソコは厳しいんだ···」
と杏奈が返した。

「そりゃそうでしょう。」
母が速攻で相槌を入れる。

父と母の言葉にみんな笑顔になった。




〜鏡の中のアンナ 〜

「QUELQUES NOTES POUR ANNA」は、フランスの作曲家ポール・ド・セヌヴィル(Paul de Senneville)によって作曲された楽曲で、1981年にフランスのギタリストのニコラ・デ・アンジェリス(Nicola De Angelis)が演奏し世界的にヒットしました。声優の城達也さんで人気の深夜放送「ジェット・ストリーム」のBGMでも知られる名曲。
日本の国営放送でもBGMとして多用された。


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