杏奈と健 〜 鏡の中のアンナ 〜-17
僕は少し衝撃を受けていた。
「少なくとも私の周りには二人くらいしかイッたことあるのっていなかったな。それも最後に感極まって、一回だけとか。」
「ふぅ〜ん。そんなもんなんだ。」
これは僕にとっても少し興味が湧いた。
「その時って、アタシ経験ないから〜とか笑ってたけど、そしたら、アタシがイキまくりだもんね。自分でもビックリだわ。」
そう言って杏奈はクスクスと笑う。
「たぶん、アタシと健って、身体の相性もスゴくいいんだろうね。だって健に抱かれてると、気持ちも身体も満ち足りた感じ、するもん。」
そう言い終わると、少し力が戻って来たのか、上半身を起こし始めた。
「ヤダッ!健、スゴい汗じゃん!」
そう言い放つと杏奈は手早くベッドのヘッド部に置いてあったフェイスタオルを取り、ポンポンと僕の汗を拭い始めた。
「アタシ、健の上でピョンピョン跳ね上げられてたから、スゴい運動量だよね。」
汗を拭き取りながら、杏奈は感心するように呟く。
「ん〜。そうだね。50メートルダッシュ、3本くらいかな?」
僕は少し控え目に見積もり、そう戯けてみせた。
「そんなにっ?!」
と、逆に驚かれてしまった。
僕にすれば軽い日常的な運動の一部だったのだが、陸上経験のない杏奈には相当な運動だと捉えられたようだった。
「アタシなんか一本でもヘロヘロになっちゃうよ。」
そんなもんなのかな?と少しオーバーだったかな?と困ってしまう僕。
「そう言えば、アタシったら、今日、人生イチ大声出してるかも···」
そう言い終わると汗を拭き終わった杏奈は「健。抱きしめて」とせがんで来た。
僕はそれに応え、上半身を起こして杏奈の背中へ腕を回した。
杏奈は持っていたフェイスタオルをベッドのヘッド部へポンと投げ、僕に応えるように腕を背中に回してくる。
対面座位の形で杏奈を僕の腰に座らせ、深い口吻をした。
杏奈はとても情熱的に舌を潜らせてくる。
顔を右へ左へと移し変えながら、複雑に舌を絡ませる。
舌を突き出すとチュパチュパと吸い、杏奈の想いが伝わってくる。
お互いの舌を舐め合い、唾液を入れ替え、そして抱きしめる。
二人の存在を確認するように···
やがて杏奈は自ら後ろへ手をつき、仰向けになった。
手を僕に向けて掌ごと拡げる。
来て、と言わんばかりに。
僕はそれに応え、杏奈に覆い被さった。
杏奈は僕の背中に腕を回し、ギュッと抱きしめてくる。
僕は杏奈の頬を包むようにして
「杏奈。愛してる」
と囁いた。
「健。愛してる。」
そう杏奈も囁いて、瞳を閉じた。
呼応するように唇を重ねる。
軽く口吻をすると杏奈が口を開く。
「来て。」
僕はゆっくりと腰を動かし始める。
それは杏奈の内部を確認するように。
狭い杏奈の膣内を僕の勃起が肉壁を掻き分けて進む感覚を敏感に感じていた。
それを察知するかのように、杏奈の内部は複雑に蠢く。
「ああ···ゆっくりも気持ちいい」
杏奈の声が漏れてくる。
「僕もけっこう、コレ好き。」
と言うと、杏奈は僕の頬を包み、引き寄せ、キスをした。
「健。大好き♪」
そう言って満面の笑みを浮べる。
胸がキュンとした。
僕は何よりも杏奈の笑顔が好きだ。
この笑顔をずっと見ていたい。
そう思っていた。
想いが溢れると、段々と腰の動きが速くなっていく。
杏奈に気持ち良くなって欲しい。
ただそれだけだった。
動きに合わせ杏奈の声が上がる。
「アンッ!アッ!アンッ!アッ!アッ!」
それに合わせるようにパンパンと股間から音がする。
僕は上を向き、ピンと反り立つ杏奈の乳房に吸いついた。
「アアッ!」
敏感に感じ取り、杏奈の声が一段と高く響く。
腰を激しく打ちつけながら、乳首を吸い上げ、舌先で弾く。
そして上体を上げ、両手で杏奈の乳房を揉みしだいた。
益々強く打ちつけると、杏奈の反応が変わってくる。
「健っ!健っ!」
僕の名前を連呼する。
僕は杏奈の踵を取り、大きく足を拡げさせた。
さらにお尻がベッドから離れるほど上へと杏奈の足を上げる。
僕の腰はより密着度を増して突いていく。
杏奈は口を半開き、顎に手をあてるようにして喘いでいる。
「アアッ!アアアアアッ!」
結合部が丸見えになる事で、僕は興奮度も増していた。
杏奈の踵を持ち、拡げていた両足を上へ立たせるようにして抱き合わせ、それを抱え込むようにして僕は杏奈を突き上げる。
「ア"ーッッ!ダメッ!気持ちいいよぉーっっ!」
少しずつ杏奈の内部が締まってくる。
僕の亀頭を引っ掛けるような刺激が襲ってくる。
勃起がジンジン熱くなる。
手を解き、杏奈の腰横へ僕が手をつくと、真上に上がっていた杏奈の足が開かれ、僕の肘の辺りで引っ掛かっている。
突き上げる度にその足は上へ下へと揺れるように上下していた。
「アーッ!気持ちいいっ!気持ちいいっ!」
杏奈の奥へ奥へと突き立てるように深く速く腰を振る。
「アアアアアッ!アアッ!アアアアアッ!」
キュンキュンと杏奈の内部が締め上げてくる。
揺れていた僕の肘に引っ掛かっている杏奈の足にも次第に力が入り、足の指が反り始める。