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先生は僕らの女王様
【教師 官能小説】

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逆転する関係A-1

*


あの出来事以来ーー拓真と由美香は職場で顔を合わせても、普通にコミュニケーションを取ることができるようになっていた。

もちろん、由美香の心にわだかまりがないわけではない。
突然体を奪われた事実は、絶対に許せないことだった。

「ーー平田さん、政経の夏期講習、雰囲気どんな感じだった?」

普段プライベートでは「清香ちゃん」と呼ぶが、さすがに職員室では「さん」呼びをする。
席に座る清香に、由美香は横から話しかけたのだった。

今週一週間は、この高校の夏期講習期間で、公民科を受け持つ二人は、月曜日から水曜日まで清香が、木曜日から土曜日までを由美香が担当することになっていた。

今日は水曜日で、明日から由美香の担当である。

「うちのクラスと先生のクラス、両方の生徒が講習受けてるのに、やっぱり先生のクラスの方が理解度高いんだよなぁ。ヤキモチ」

頬を膨らませて清香が上を見上げる。
由美香は笑みを浮かべて、ぽんぽん、と清香の肩を叩いた。

「全く。優秀な平田さんが何言ってんだか」

「心にもないこと言う〜。定期試験全体の成績は同じくらいだけど、実際模試の結果がいいの、瀧岡先生のクラスなんだもん。明日の講習、見学行ってもいいですか?」

「いいけど……やだなぁ。明日の講習の範囲って、民主政治なんですけど〜? 平田さんが明日からの範囲やった方が絶対分かりやすいのに」

由美香は中指で、メガネの鼻の部分をくっと押し上げて苦笑いした。

清香は難関私立大学の、文学部出身で、中でも法哲学を専門としていたらしい。
この高校に就職しつつ、三年かかったとはいえ、社会人大学院生として修士号も取得した。
だから、政治学などの知識には非常に長けている。

一方由美香は進学の際に、何となく経済学部を選び、清香に比べれば学問に対する探究心は薄かった。

「修士卒なだけですぅ。瀧岡先生は謙虚だなぁ。「由美香チャンの授業はわかりやすい」って生徒も言ってましたよ」

くすっ、と清香が笑う。

「ん? ていうか! 生徒って、あたしのこと由美香ちゃんとか呼んでるわけ?」

「呼んでる」

清香がケラケラと笑いながら言った。
由美香は恥ずかしそうに髪の毛を掻く仕草をする。
そんな由美香の腕を取り、清香は他の職員の目を気にせず、由美香の腕に頬をすりつけて言う。

「ねえ、せーんせ。今日、おうち来て?」

「えー? まだ水曜だし、飲んだら自宅帰るの面倒くさくなっちゃう」

「泊まってってくださいよぉ。ジャケットの下に着るインナーくらい貸しますし、なんなら洗濯しますから。浴室乾燥機使えばすぐ乾きます」

「んん……もう。そこまで言うなら」


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