逆転する関係A-4
「ん、ぁっ」
少し強めに、翔が臀部を捏ねると思わず由美香は声を上げる。
右手の甲で声を出さないように口元を覆い、目をぎゅっとつぶる。
(や、やだ……下着、汚してる……)
翔に焦らされるように体を撫でられ、秘部が既に蕩けきってしまっていた。
「ん、もう……ほんと、ダメ。上がってきちゃう」
「まだ、風呂のドア開いた音、してないですよ」
バスルームの折りたたみ式のドアの音が、廊下と部屋をつなぐ引き戸を閉めていても、ここまで聞こえるのは由美香も翔も知っていた。
「だから、って……ん、だめ」
さらに体を撫でる翔を、手の甲で口元を押さえながら睨む。
だが甘い声を出している由美香の顔は、とても艶っぽい。
翔は臀部から手を離すと、ハーフパンツとショーツの中に手を差し込む。
「や、だめ……っ」
中指が、毛をかき分けて由美香の秘部に触れる。
翔がソコを縦になぞれば、すぐさまぬるぬるとした体液が溢れてくる。
「は、……ぁ……っ。馬鹿……っ」
「濡れてる……先生の」
「んぅ……はぁ……はあ……こんなに、触るから……っ」
翔は、強引な行為を行なっているとわかりつつ、再びソコに触れられたことに喜び、左耳に唇を押し当てる。
「んっ……ねえ、ほんと……だめ、人の家で……っ」
清香の家だということに抵抗がありつつ、ぬるぬるとしたソコを動く指の感触に、由美香の体が悦んでいる。
「あ、……ぅ」
固く腫れ上がったそこを指先が捉える。
奥歯ががちん、と鳴る。
翔は由美香の体に覆いかぶさりながら、ゆっくりと陰核に円を描き出した。
由美香の呼吸が浅くなり、翔の背中を抱きとめる手が強くなる。
「ばか、んん、堀尾く……んっ、そんなにソコ、しちゃ……嫌……っ」
「大丈夫です、シャワーの音……してるから」
「そ……ゆ、ことじゃ……っ。んん、強引なの、やだって言った…のに……っ」
「我慢できないよ、せんせ。いくとこ、見たい」
はぁ、はぁ、と耳元で浅く、荒く吐き出される吐息でさえ、由美香の刺激となり得る。
「は……ぁ、んん、あたしも、我慢、できな……っ……んんっ」
翔の耳元で小さく「いっちゃう……」と呻くような、甘い声。
自分は体を密着させているだけなのに、翔の体にぞくぞくっと寒気が走る。
その体が由美香に引き寄せられ、いやらしい肉体とさらに密着してしまう。
「はぁ……っ、んんっ……!」
密着した体に、絶頂を迎えた由美香の震えが伝わる。
翔は指を動かすのをやめ、耳元に幾度もキスをした。
指には、さらにとろとろとした体液が溢れる感触。
由美香は一旦呼吸を整えようとしつつ、覆い被さる翔の体をゆっくりと押しのけた。
ローテーブルの上に置いてあるティッシュを数枚取ると、体液で汚れた翔の指をふいてやる。
「馬鹿……これ以上はさすがに怒るからね。手、洗ってきて」
むすっとした顔で、眼鏡越しに睨まれる。
起こした由美香の体を、ぎゅぅうっと抱きしめた。
自分のソコは、はちきれんばかりに膨れ上がってしまっているが、そんな本能さえどうでもよくなるほど、由美香が愛おしかった。