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カラフル
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あおいろ-4

 
 私はかける言葉を探していたが、見あたら無かったので、彼女の肩を強く抱いた。彼女の肩は思っていたよりも細く華奢で、弱々しく切なかった。

「瑠璃子を振る男なんて、世界中にそいつ一人しかいないから、奴の言った事なんか気にしなくていいよ。君の強さは美しいんだから、君は何歳になっても、強くある限り、美しいと思うよ」

 我ながら良い言葉だと思っていたが、

「ばかね。強いババアなんて誰も相手にしてくれないわよ」

 そう言われて、私は黙った。

「瑠璃子はね、これから弱さを学んで行こうと思うの。男にも女にも強い部分と弱い部分があって、初めて噛み合って行けるのよ。歯車みたいにね。そして、弱さがあるから、人は労りや、愛を学ぶのよ」

 ぐうの音も出ない私は「そうか、だから弱さばかりの俺は、学んでばかりいるのか…… ま、学んでも、成長はしていないがね」等と思い、馬鹿でかく、重いグラスの酒を飲んだ。時間は昼近くになっていた。

「帰ろうか?」俺が言うと、瑠璃子は携帯で時間を確認して、言った。

「今日はありがとう。少し落ち着いた気がする。でも、せっかくだからまだ飲みたいな」

 そう言って、疲れてはいるが、美しく輝く瞳で私を見つめた。そんな瞳に見つめられて、断れる男はいない。男は基本的に流れに弱いのかも知れない……

「うん。いいよ。けど、もう開いてる店は24時間営業の居酒屋ぐらいだよ?」

「貴方の部屋は、ここから近いんでしょ? お酒ある?」

 私の心臓は躍り上がった。

「うん。近い。歩いて10分かからないと思う。酒もあるよ。来る?」

 私の心臓の音が、彼女にも聞こえたのかも知れない……

「うん。行く。でも…… エッチはしないよ。私、今まで、付き合ってる人としか、SEXした事が無いの。それにタクシーで行こ。歩くのは嫌」

 私は、落胆を悟られないように、笑って頷いた。



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