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カラフル
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きいろ-3


 ホテルの部屋に入ると、私は自分の行動に迷った。彩葉は道すがら、足取りも結構しっかりしていたことだし、取り敢えず彼女の事は彼女自身に任せて、自分の行いを悩んだ。
 
 頭は冴えて眠れそうには無い。蒸れた足が気になって、シャワーを浴びたかったが、いきなりそれも、何か意味を含んでいるようでどうかと思われた。

 とにかく無駄に冴えた頭と、心の鼓動を落ち着かせるために、冷蔵庫から冷えたビールを取り出して口に含んだ。目の隅では彩葉がバッグをソファーに置いた後、ベッドに腰かけて部屋を眺めている姿が写っていた。

「何か飲む?」

 私が向き直って聞くと、彼女は黙ってただ首を振ったが、そこにはもう可憐で潔白な日本人形はいなかった。ただ、美しくキャリアを重ねた大人の女性が、冷たく燃える瞳で、私を見つめていた。

 そして彼女は、私の視線の中で、ゆっくりと一枚ずつ服を脱ぎ、見事な体の線を露わにして、下着だけを身に着けたまま、布団の下に滑り込んだ。そして頭上のスウィッチに触れて明るさを落とした。

 薄暗くなった部屋に彼女の声が聞こえた。

「眠い…… 来て……」

 私は魔法に掛けられたように、服を脱ぎ、下着姿になって、彼女の脇に潜り込んだ。

 彼女は両腕を広げて私を迎え入れ、私の髪の中に両手の指を差し入れて、熱く絡みつくようなキスをした。そして、戸惑いの消えぬ私に覆いかぶさり、その唇と舌と指先で、私の身体の隅々までを愛撫した。その甘美な刺激の陶酔は、私をベッドに縛り付けるように、全ての自由を奪った。

 そして、そのままの姿勢で私が果てた時、彩葉は荒い息遣いのまま、波打つ胸を私の胸に重ねて、私の体液に濡れた口で、お互いの全てを絡みつかせるような甘ったるいキスをした。

 私はそのまま眠りに落ちた。

 その眠りは、かつて経験した事が無いほどの、深く果てしの無い安らぎの世界だったが、私が目を覚ました時、私はすでに彼女の口の中で脈打っていた。


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