第五十八章 真夜中の恋人達-1
【啓介と同居 四ヶ月目】
【20●1年4月7日 AM0:30】
啓介の家で。
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コリコリと小気味良い音を立てている。
男の箸の動きは止まる事無く、次々とテーブルの上のオカズや漬物を消していく。
その向こう側で幸せそうに微笑みながら、天使が頬杖をついている。
「フーッ・・・美味かった」
男は満足した表情で箸を置くと、女に笑顔をお礼に返した。
「良かった・・・美味しかった?」
「ああ、最高や・・・」
二人の視線が重なっていく。
さっきの唇の余韻が、女の頬をまだ赤くさせていた。
「そうだ、お風呂・・・沸いてますよ」
「おお、そぅか・・・」
「気が利いているでしょう?」
「そやから、惚れたんや・・・」
男のセリフに照れながらも、嬉しさに顔を綻ばせながら食器を片付ける恵であった。