みどりいろ-6
私は十九歳の女を抱いた。
彼女は恥じらい、戸惑い、驚き、喜んだが、その時々で彼女の眉は、踊るようにうごめいた。私は彼女の皮膚の匂いと味に魅せられて、世界を忘れてそれを貪ったが、その皮膚はその部位により、様々な色が混じり合い新しい色を作り出すように、様々な匂いと味覚を与えてくれた。しかし…… 後に残った彼女の身体は、私の唾液にまみれて、すえた匂いを放つばかりだった。彼女はそれをとても恥ずかしがり、嫌がっていた。
翠はその後、数回にわたり、私の部屋を訪れた。そして何度目かに彼女を抱いた時に彼女は言った。
「もっとなめて。体中なめて。どこもかしこも貴方の唾の匂いでいっぱいにして」
「嫌がってたよね?」
「うん…… でも…… 本当はその事でとても興奮している自分が、恥ずかしかっただけなの……」
若く芽吹いたばかりの、緑の妖艶がそこにあった。