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托卵妻奈莉
【若奥さん 官能小説】

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エステ美容-1

 浮気すると宣言したあと、奈莉は啓吾と二人で接する時、ときどき目で睨みつけるようにその意志を示したりした。ただ、そういう意志を態度に啓吾に示すことはあっても、実際に浮気をするというのは相手の要ることであり、どの相手にどういう具体的な行動をしようかというところまで奈莉も考えて言ったわけではなかった。
 しかし、そういう気になったことで機会の方からやってくるということは良くあることだった。
 
 奈莉は二人目の子供を産んでから、三十歳に近付いたこともあり、お肌のお手入れに気を使い始め、使用する化粧品の選択などはもちろん、ときどきは女性用エステに訪れるようなこともしていた。そういうきめ細やかさと気遣いが奈莉をいつまでも若く美しくしているもとでもあった。
 啓吾に浮気宣言をした次の週の水曜日、子どもたちを学校へ見送った後に行ったのも普段から通いなれているその女性用エステだった。
 そこに通い始めたのは、結婚前に勤めていた会社の友達に紹介されてのことだった。それ以来そこのマダムとは美容に関する相談なども懇意になってさせてもらっていた。かれこれ五年ほど通っていたので、紹介してくれた友達ともどもお得意さんでもあり信頼関係もできていた。
 そこのエステでは、主にフェイスを中心にしたお手入れをしてくれており、身体の方はあまり重点にはしていなかった。ただ身体のお手入れをするクリームなどの化粧品については市販のものの比較や推奨アドバイスを無料でしてくれたのでそこが通い得のポイントになっていた。
 
 その日ははじめてマダムからボディエステを勧められた。
「あのね、奈莉ちゃん、今日はボディエステをちょっとお薦めしたいんだけどね。でもいやだったらいいのよ。ちょっと普段とは違って男性のエステシャンなの。だから遠慮なく断ってね。」
「ええ、もちろんよ、でも聞かせてほしいわ」
「ありがとう、奈莉ちゃん。では少し説明するとね、実は私の甥で台湾で東洋の指圧とか、ボディマッサージを勉強してきた子がいるの。台湾の政府が発行する資格も取って来て信用がおけることは大丈夫なんです。身体を中からよくして、かつお肌全体のケアもするのよ。もしね、もしもよ、奈莉ちゃんが興味があれば今日はサービスにさせてもらってもいいのよ。実は初めてのお客さんなので、、、、、、」
 はじめはそんなのちょっと危ないんじゃないか、と恐れていた奈莉だったが、とくとくと説明されて信頼するマダムのいうことだから乗ってみてもいいかな、と思い始めていた。それに、夫の啓吾に拒否られ続け、男性の手で身体を触られる、それも若い男性に触られることに興味も出て来ていた。おそらく啓吾に対する当てつけの気持も有ったのかもしれない。 
奈莉は、自分の顔を様子を伺いながら見つめているマダムに向かって、
「いいわよ、してみたいわ。お願いします」
と言っていた。

 ボディエステなので、比較的隠すところが少ないビキニスタイルに着かえさせられた。すこし無防備かな、と思ったが、まあいいかとぺろっと舌を出して鏡を見た。
個室に案内された。待っていた男は、二十代後半だろう、かなり渋めの逞しい身体つきの男だった。マダムの甥と言っていたがあまり似ている感じはしなかった。
「今日は、ありがとうございます。お客様の美容のために誠心誠意努めさせていただきます。鈴木啓一と言います。よろしくお願いいたします」
とあいさつはしっかりしていた。マダムとは同姓で名前は啓一と言うのだろう。
「あの、はじめてこういうのをするんです。よろしくお願いします」
と奈莉もそれなりにあいさつしたが、男の感じは悪くなかった。悪くなかったというより、奈莉にとっては良かった。若さの中に経験を感じさせ、身体つきも男らしくまた丁寧な言葉遣いなど、瞬時にタイプだと奈莉は思った。
「今日のコースは120分のフルのコースになります、ごゆっくりお寛ぎください」
「はい、よろしくお願いします」
 奈莉は、たっぷり楽しもう、こういうことをしてもいいだろう、と思った。



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