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先生は僕らの女王様
【教師 官能小説】

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逆転する関係@-1

*



翌朝。

由美香は腰に違和を感じながら、目を覚ます。
目の前にはいつも通り、清香の顔があった。

枕元のスマートフォンで時刻を確認すると、八時頃だった。

昨夜ーーあの体勢で絶頂を迎えたあと、対面の状態になり、拓真はコンドーム越しに射精をした。
精液にまみれた二人のペニスを舐め取らされ、翔に至ってはもう一度、口の中で射精をした。


ここから家が比較的近い彼らは、事が終わり、由美香がバスルームに駆け込んでいる間にかえってしまったらしい。
バスルームから出たあと、彼らはいなかった。

「ん……せんせ……? 起きてた…?」

そんなとき、もぞもぞと、目の前の可愛い生き物が動き出す。

そして、由美香に抱きついた。
彼女はいつも、由美香が泊まりにきたとき、甘えるようにして寝起きに抱きつく。
由美香も、今はその柔らかい体に甘えたかった。
背中に手を這わせて清香の体を撫でる。

「高橋くんと堀尾くん、何かいないんだよね。帰っちゃったかな」

そ知らぬ振りをして、由美香は清香に伝えた。

「んん……わかりました」

まだ寝ぼけまなこの清香は、由美香の胸元に顔を押し付けるようにして答えた。



*


八月某日。


ーー各大学の名前が書いてある、赤い背表紙の鈍器のような重みのあるの本に囲まれて、由美香は仕事をしていた。
ここは進路指導室だ。
この部屋には、進路指導部の部長のための席がひとつある。
デスクは、入口から背を向けて座るように配置されている。

本棚に囲まれ、生徒が赤本をコピーするためのコピー機が一台設置されている。
部屋の真ん中には、生徒指導用に机と、対面になれるよう丸椅子が二脚置いてある。

朝礼が終われば、職員室内の自席ではなく、こちらに滞在することがほとんどだった。

それに、彼らと顔をなるべく合わせたくなかったからだった。

今日は小論文の添削を頼みにきた生徒がおり、赤ペンで〇を囲み、矢印を引っ張って修正する箇所を書き込んでいく。

だが……

集中しようとしているにもかかわらず、ふと、約一週間前の晩のことを思い返してしまう瞬間があった。

二人の男にじっくりとキスされ、体をなぞられ、挿入されているにもかかわらず、腰を動かされずーー

そんな時、ガチャリ、と進路指導室のドアが開く。
生徒のために開放しているため、ここは誰が入ってきてもいい。
ドアの開放を無視して、ペンを取り再び机上に目を向けていると、自分の後ろで足音が止まった。


「瀧岡せんせ」


普段、聞きなれた声。

ーー理科の教員である高橋拓真のものだった。

由美香は振り返らず、「何?」と感情なく呟くと、淡々と作業を進め出す。

振り向きもしない由美香の体を、拓真は後ろから抱きしめた。
夏であるにもかかわらず、ふわりと香る清潔感のある拓真の香り。

「ちょっと。職場……」

「だって、こっち見てくれないじゃないですか」

「生徒入ってきたら、どうするの。早く離れて」

由美香はペンを置いて、拓真の手をのけようとする。


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