逆転する関係①-5
「そんな風に可愛いと、乱暴しますよ、せんせ」
「そ、それは嫌」
拓真は苦笑いをして、由美香のショーツを剥ぎ取る。
「下着、とろとろ。エロすぎ」
クロッチの部分についた甘い蜜を、拓真は舐めあげた。
「や、やだ！ 何してるの……っ」
由美香が下着を奪い取った隙に、拓真は布団を端に寄せて、由美香の脚を開かせる。
にやりと拓真は笑い、既にぬるぬるのそこに唇を寄せる。
「ひど、不意打ち……っ。は……ぁっ、ああ、舐め、ちゃ……嫌……！」
由美香のそこに、ざらざらの舌の感触が伝わり、甘い蜜を舐め取られる。
「この間、翔が舐めてたから、俺も舐めたい。とろとろで、美味しい」
「そ、そんなわけ……っ。汚いから、んんっ」
「さっき、シャワー浴びてたじゃないですか」
「そ、そういう問題じゃ……は、ぁっ、んんっ」
蜜が溢れるそこに、中指が差し込まれる。
舌の腹で陰核が舐めあげられつつ、膀胱の裏側が優しく押されていく。
「ん、同時、だめ……高橋くん、恥ずかしい……！」
由美香は体を仰け反らせ、腰を浮かせてしまう。
あまりに強烈な刺激に、声を出すまいと両手で口を覆う。
だがそのせいで、ぐちゅ、くちゅん、と下半身からいやらしい音が聞こえてくる。
先日の出来事まで、交際した男以外に許したことのないこの行為は、あまりに恥辱的であった。
「だめぇ、あぁ、や、やだっ……」
腰が震え、顎が上向きになり、常に口を開いているせいで、口の中が渇いていく。
何とか両手で口を押さえるのに、その恥辱的な行為に体が反応してしまう。
ぎゅぅうっと目を力強く閉じると、瞼の裏側がチカチカと明滅し出す。
腰が、腹の奥がーー絶頂を迎える準備をしているのが分かる。
「ぁ、あぁっ、高橋くん、ダメ……っ、ん、んぅ、いく、いっちゃう……っ」
その言葉を聞いて、拓真は舌でそこを舐めつつ、先程より強めに膀胱の裏側を指先で押す。
「あぁっ、あああ……っ！！」
腰から脳天にかけて、由美香の体を電流が走る。
拓真が手の動きをとめても、大きく体が仰け反ったままで、呼吸が整わないーー
「はぁ………はぁ……」
由美香は拓真の腕を引っ張ると、頭を引き寄せて、自ら唇を拓真の唇に押し当てた。
自身の体液で汚れたそれを厭うことなく、だ。
拓真は嬉しかった。
「はぁ………んん、高橋くん………………」
実感してしまった由美香の中の、精神的な優越感。
恥辱的な行為より、快感がまさり、しかもそれは肉体的なものだけではなかった。
何か具体的な言葉を言われた訳では無いのに、じっと見つめられたその目に、拓真はぞくりと背筋が凍る。
抵抗していた目ではなくーー拓真の心を掌握し、支配するような目付きだった。
「入れて……いいんですか……」
「ん、いいよ……」
先程まで抵抗されていたにもかかわらず、今、堂々としているのは由美香のほうだった。
自分の手が、唇が、震えているのが拓真にはわかる。
目の前の、従うべき女王にーー心も体も掌握されそうになっていた。