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新体操の美少女・三原レイ
【その他 官能小説】

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ロスト・ヴァージン@-1

 十月三十日の月曜日。放課後。三宅勝徳・教諭は校長室に呼ばれる。三宅は、ついに来たか、処分を言い渡してくるにちがいないと確信した。職員室から校長室までわずか10メートルなのに、足枷を嵌められたように脚は重かった。

「三宅くん、きみの所業は教育委員会にも報告した。近々、正式な処分が決まることになる。それまでは自宅謹慎とする。明日から謹慎したまえ」

 田宮五郎・校長は感情を抑えて、淡々と言い渡してきた。

「そうですか。私は三原レイちゃんを励ましたくて、スキンシップしただけなんですが」

「言い逃れしなさんな! 女生徒のスカートの中に手を入れるのがスキンシップかね? きみがやったことは痴漢行為だ! おとなしく謹慎しなさい」

 田宮の口調は厳しかった。

「はい。謹慎します。謹慎しますが、校長は、私の言い分よりも三原レイの言い分を信じるのですね」

「あたりまえだ。彼女は将来、オリンピックに出場できるかもしれない逸材だ。まじめで純真な少女だ。きみのようなチンピラ教師とは雲泥の差なのだ」

 三原レイが純真だと? 男とスケベなことをしている女生徒を純真だと言うのか。三宅は校長を睨み付けた。

「なんだ、その目は! 謹慎処分が不服なのか?」田宮校長の剥げあがった頭から怒りの湯気が出ていると思った。

「いや、その。不本意ですが仕方ありません」

 三宅は田宮校長にペコリと頭を下げて、校長室を後にした。職員室には戻りたくない。いつの間にか上履きのまま通用口から校庭に出ていた。ロックミュージシャンを気取っている、町田という三年の生徒がギターを掻き鳴らして歌っていた。

 下がって〜、下がって〜、この白線から下がって〜。

 パンクロックか何か知らないが、町田の唄は雑音にしか聴こえない。キツイことを言ってやろうかと思ったが、謹慎を食らったこの身だ。これ以上、問題を起こしたくない。

 三宅は職員室に戻った。境屋ゆり子の机の前に渕上直希が立っていて、ふたりは談笑していた。渕上の仮性包茎野郎、ゆり子とつき合っているのか? ゆり子のゆたかな胸を揉みしだいているのか? 腹が立つ。業腹だ。三宅はふたりに近づく。

「渕上先生、デートの打ち合わせですか? 感心しませんな」

「いや、そういうわけでは……」

 渕上は口籠った。

「あら、三宅先生、顔色がよくありません。青ざめているような。校長先生にキツイことを言われましたか?」ゆり子は三宅を見下しているような語調だ。

「キツイことを言われても言われなくても、あなたには関係ないことだ」

「関係ないですって? 私は生徒たちを守りたいのです。痴漢のような行動をとる者がいないか、目を光らせなければいけないのです。教職に就く人であっても、ひと皮剥けば、卑劣なダメ人間がおりますから」

「そうですか、そうですか。たしかに私は謹慎処分になりました。しかし、私は反省しておりません。学校のアイドル、三原レイちゃんを抱きしめたのは、私なりの情愛ゆえだ。あなた方は誤解している」

「何が情愛だ! 痴漢行為に及んでおきながら、偉そうに言うんじゃないよ!」

 ゆり子は三宅を難詰した。三宅はゆり子の勢いに飲まれて、反論できなかった。

「とっとにかく、代行教員が来たようなので、私は謹慎致します」

 三宅は逃げるように教室を出た。高円寺に戻って、ヤケ酒を飲むか。ベロベロになるまで飲んでやるか。くそう、どいつもこいつも俺を馬鹿にしやがって。



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