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アンソロジー(三つの物語)
【SM 官能小説】

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星彩 ……… 第二の物語-9

「あなたの年齢にふさわしい、よく熟れた、肉づきのいいお尻です。あそこの穴もとてもよかったですが、お尻の穴もとても敏感なようです」
老人は低く乾いた声でいやらしくつぶやいた。
穴という老人の言葉がわたしの恥辱を卑猥に掻きたてる。空洞に記憶の暗闇を感じた。寂しい肉体を思い知らされるような恥辱が下半身の前と後ろにあるふたつの窪みに同時に溶けていくようだった。それはあの男がわたしのお尻の穴で放った精液の生あたたかさを記憶から呼び返した。
サディストの男はあのとき笑いながら言った。ぼくの射精にはきみのお尻の穴の方がふさわしい……。
侮辱に充ちた言い方だった。後ろ手に縛られたわたしは男に背後から犯された。初めての屈辱だった。尻穴の粘膜が火照るようなゼリーを塗り込められ、卑猥な器具で念入りに弛ませたお尻の蕾を引き裂くように彼の尖った堅いペニスがねじ入れられた。わたしはそのとき彼にとって、その程度の女であることを知らされた。彼がわたしのお尻の穴に流し込んだ精液の屈辱的な生あたたかさ……。

あのときの男の記憶をまるで知っているような老人の視線をお尻の翳りに感じる。視線は強く、鋭く、深く、無理矢理わたしという女をえぐり出す。閉じられた恥辱が身を噛むようにわたしの中で頭をもたげてくる。臀部に感じる火照った空洞は、わたしの年齢の女が恥部を晒すには明るすぎる部屋の電灯の光を吸い込み、老人の視線にえぐれるように剥き出しになる。
電球に一匹の大きな蠅がまとわりついている。まるでわたしという獲物を狙っているような音をたてている。光は仄かな熱を含みながら臀部の割れ目を裂き始める。それを淫靡にせせら笑うように蠅がうるさく舞う。

 老人の顔がわたしの臀部に近づいてくると、彼の瞳の中の視線を尻肌に感じる。まるで能面のようなつるりとした瓜実顔の、いったいどこからこんな卑猥な視線が伝わってくるのか。
わたしは微かに空洞を震わせる。それを楽しむかのような老人の視線がわたしの肉の割れ目を透かし、生あたたかい息がかかる。とても卑猥な彼の息づかいだけで、わたしの体は穿たれ、ゆるんだように滲み出した蜜液で微かに濡れてくる。
「あなたは、このお尻の穴での快楽の経験がありそうです。そういう経験を尻芽が囁いているようです」
いやらしい言い方だった。わたしはあのときのサディストの男との行為のすべてを老人に知られたように思った。記憶にある心の傷が膿んでいくように脳裏を横切った。
老人は、わたしのお尻の下から太腿のあいだにざらざらとした手を入れる。太腿のあいだに滑り込んだ彼のざらざらした掌が陰毛を探るように撫でる。薄い陰毛は無防備に割れ目を晒しているのがわかる。
「あたしは好きですよ。あなたの尻の背後から差し入れたときの下の毛の濃さと恥丘の手ざわりが」
淫靡な声だった。そんなことを本気で老人が思っているのかわからないが、おそらく彼はわたしの陰毛の毛穴まで知り尽くそうとしているのかもしれない。
ざらついた手ざわりはやがて尖った指になり、蠢きはじめた指がお尻の割れ目に喰い込み、尻蕾をえぐり、ゆっくりと滑るように股間に伸び、陰部の肉の合わせ目をなぞる。そして陰毛の生えぎわを撫でると、滲み出した微液に羞恥心を煽られるような気持になる。なぜか自然と体の芯から身悶えするような震えがさわさわと湧いてくる。



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