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アンソロジー(三つの物語)
【SM 官能小説】

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星彩 ……… 第二の物語-16


 その夜もわたしは老人のペニスをとても長い時間、愛撫させられた。わたしの唇と舌は、まるで無数の触覚が息吹いたように烈しく蠢き、老人のものを生々しくなめつくした。
「あなたは不思議な方だ。あたしのものを遠い記憶から甦らせ、欲望を生き返らせる……」と、つぶやきながら、老人は淫靡な笑みで皺が刻まれた頬をゆるませた。
わたしの唾液でまぶされた、堅く、長く、色素を失った浅黒いものが痩せた老人の弛んだ下腹部で屹立し、えらが深くえぐれた亀頭は宙を仰ぎ、ぬらぬらとした光沢を放ちながら狂おしくゆらぎ、裏筋の縫目の皺が伸びきっている。それはまるで死人の干涸(ひから)びた肉体から蛇が脱皮しているような奇妙な光景に見えた。
「垂れ袋のお玉もかわいがってくださいよ」と老人は卑猥に囁いた。
わたしは鳥の嘴のように唇を尖らせ、陰茎の根元から唇をすべらせ、ぬめるように垂れた皺の袋をつつく。緑青色の細い血管が這った薄い被膜の中で、唇でつつく睾丸の輪郭がきゅっと締まるように浮き上がっては、舌の上を滑っていく。
「あなたは、あたしに飼われたかわいい雌(めす)鳥なのです。あたなは性器のさえずりをすでに唇に感じている………自分でもそう思っているでしょう」
老人はそう言って肉茎を淫らにゆらした。
唇に吸いつく垂れ袋の包皮の中で睾丸が戯れるように転がる。わたしは無心にその戯れを唇で追う。甘い泥濘(でいねい)が蕩けていくような感覚がわたしの体の隅々まで伝わってくる。その感覚を拒まない自分がいた。

老人に飼われた雌(めす)鳥……その言葉はわたしを惨めに失望させるのではなく、わたしが逃げ場のないところに囚われている甘やかな感覚に違いなかった。わたしは自分でも気がつかないうちに、いつのまにかそういう女になっていたのだ。

窓の外の小雨は止む気配がなかった。暗闇の中を覆う驟雨があの男の子の視線を遮っているような気がした。
老人の指がわたしの頬の輪郭をなぞる。ベッドの上で老人は後ろ手に縛ったわたしを自分の痩せた膝の上に抱きかかえる。臀部が沈んでいき、わたしの花唇が裂かれ、老人のものが突き刺さる。

あっ………ううんっ……………

充分に濡れていますね………と彼は言い、陰気な笑いを浮かべた。
骸骨を薄い皮で覆ったような老人の身体は、まるで金属の拘束具のようにわたしを戒め、下半身の堅く尖ったものだけがくねくねとわたしの中を穿つように奥へと深く侵入してくる。
太腿を開き、老人の下半身に跨ったわたしの肉襞はひとりでに彼の肉幹に吸いつき、奥へ奥へと導いていく。老人に抱擁された腕の中で縛られたわたしの乳房の先端が彼の乾いた黄土色の皮膚をなぞるようにゆらぐ。



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