楽しい宴-2
「……ッ!!!」
言葉が出てこない。かえで先輩が言う言葉が素通りするように頭の中に響いていく。
「生のレイプ見てあんなに興奮するとはオレ思わなくってさ!」
「あれから毎日毎日、お前犯すとこ想像して……」
先輩の腕がゆっくりとわたしに伸びて来る。
「ハッ!ハッ!ハッ!」
恐怖で息がしにくくなる、身体が震え動かない、怖い。
「いや〜今日が来るのをホント待ったわ!一番に見つけれてよかった〜ww」
張り付いたような先輩の表情。それと共に繰り出される言葉を繰り返す。
今日?一番?
「あ……っ!」
先輩に抱き着かれようとしたその瞬間。
「あー!見つけた!よっしゃ二番ッ!!!」
新たに現れたのは同じクラスのこうた君だ。
よほどうれしかったのか、ガッツポーズをしている。
「な…なに…が……」
その後も次々とサッカー部員が集まってくる。
ある者は悔しがり、ある者はこちらを見てにやにやしている。
気がつけば、とうま先輩以外の部員のほとんどがこの部室に集まっていた。
みんなはわたしが、かえで先輩とこうた君に押さえつけられている姿を何も言わず眺めている。
「オレさぁ、サッカー部のみんなにレイプ見たこと言ったんだよね〜w」
かえで先輩がわたしの顔を覗き込みながら言う。
「みんなお前の身体エロイ目で見てたの気づいてなかったろ?なのにトウマと付き合っちまうんだもんな〜〜」
「そうそう、やっぱマネージャーだし?公平にみんなのケアして貰わないとな!」
周りで見ているみんなが口々に言いだす。
「で、先生に言ったらさ、じゃあ順番に黒川まわすかーってなって!」
「今日はお前慣れてないだろうから、とりあえず先着二名様ってなったの!」
「……どう?状況わかった??w」
「……う…そ……」
そう言うのが精いっぱいだった。
頭が真っ白になり何も考えられなかった。
うそ…だよね?こんなの悪い夢…だよね…?
「あ〜〜早くヤりてーっ!!」
「まだ先生あいつしごいてんのかな?連れて来るわ!!」
そんな言葉を残し、数人が部室を去っていく。
「黒川の髪…すげぇいい匂いする…」
こうた君がわたしの頭に顔をこすりつけ、後ろから羽交い絞めにされる。
「黒川…レイプ動画見たよ?先生がトウマ以外の部員に流してくれたんだ…」
「アヘってる顔エロかったなぁ…今日はいっぱいボクがアヘらせてやるな…」
ズボンの上からお尻に堅いモノが当てられる。
「い…いや…いや……ッ!」
体育館倉庫での記憶が鮮明に蘇ってきた。
がくんっ!
と、全身の力が抜ける。
「なんだこいつ腰抜けた?ww」
「しっかりしろよ〜〜w今から使うんだからさ〜〜ww」
ぎゃはははは!!
あははは!!
みんなが嗤い合う声が遠くで聞こえる。
こんなに怖いのに、みんなが笑い転げる姿をぼんやりと見ていることしか出来ない。
なんであんなに楽しそうに出来るんだろう?なんで…なんで…?
「おっと!もう皆集まっていたか!」
しばらくして先生とサッカー部の数人が誰かを抱えるようにして部室に入ってきた。
「さぁ〜部室の周りはもうサッカー部しか残っていないからな!好きなだけ楽しめよ〜w」
「ほら!お前も、黒川がかわいがられる姿をしっかり見とけよ?ww」
そう言われ、後ろ手に両手を括られ泥だらけになった人物が床に投げ出される。
それは……とうま先輩だった。