崩れた均衡A二人の男からの挿入-1
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「は……も……ぉ、許して……」
腹の奥が熱いーー由美香は自分の身体を呪う。
いたぶられたことによる生理的な反応なのだとしても、どこか乱暴でない愛撫を受け入れているのだと錯覚せざるを得ない。
息が整わないまま、手の甲を目の上に押し当てて、息を吸う。
教員の不祥事など、よく聞く話だ。教員だって人間で、ハラスメント行為などは私立高校ならば内部で収められる場合もあるだろう。
だが、彼らは自分を受け入れてくれているのだと思っていたし、由美香自身も彼らを尊敬していた。
なのに、何故ーー
こんなにも酷いことを。
目の前が見えない状態でそんなことを思っていると、舌とは異なる感触が秘部に押し付けられたのがわかった。
「ーーあっ」
思わず声を上げた時には遅かった。
ゆっくりと、それがナカに侵入してくる。
「ん、んぅ……っ」
両手で口を覆い、目を開ける。
翔は体を起こしていて、下半身にスエットを身につけていることがメガネをかけていなくとも由美香には分かったが、腹の辺りを纏っているはずの布がめくれている。
指とは異なる下半身の異物感。
「く……ぅ……ぁ、あ……っ」
がくがくと、恐怖に震える。
そんなとき、拓真が耳元に口を寄せた。
「ちゃんと着けてますから、翔は」
何も言えなかったがーー避妊具が用意してあるということは、この事態は彼らにとって突発的なことだったのでなく、計画的なことだというのか。
翔は由美香が声を出さないよう、ゆっくりと腰を押し進め、奥まで到達したかと思うと、少しだけ引き抜く。
恥辱的な行為の中で、それを快感と呼ぶにはふさわしくないと思われるがーーじわじわと、熱と刺激が与えられる。
「あ……っ、ぅ、あ……」
両手で何とか口元を押さえつつ、腰が動いてしまう。
ゆっくりと動かされるそれを、由美香はぎゅぅうっと締め付けてしまう。
エアコンの効いた室内で、布をめくられて、冷気が当たる胸元に、ぷつぷつと汗の玉が浮き上がっていた。
「瀧岡先生……俺のも、して」
拓真は膝立ちになり、由美香の顔の前で履いているスエットとボクサーパンツを少しだけ下ろした。
ぶるんっと揺れて、雄の香りがするそれが飛び出す。
鼻先に感じられた、突然の雄の香り。
由美香は右手を引っぱられ、そそりたつそれに、強引に手を添えることになる。
久しぶりに感じる、男性器独特の感触。
下半身に男性器が埋まり、ペニスに手を添えているという異様な状況を受け入れることは、由美香には難しかった。
だが、抵抗することももう、ままならない。
拓真は何も言わず、添えられた手に自らの左手を重ね、動かさせる。
そして、右手で頭を向けさせ、強引に亀頭を口元に宛てがう。
「ん、う……っ」
抵抗するくぐもった声が漏れたが、難なく口腔内に収まるそれ。