幸せ探し-1
『幸せ探し 〜story１〜』
---―朝
コンコン「菜月、朝だよ。」
今日もノックの音と葉月君の声で起きる。
「ん。ありがとぉ」
そう言って私はベットから降り欠伸をする。洗面所で顔を洗ってリビングへ。台所では葉月君が朝ご飯を作っていた。
「おはよう葉月君」私が微笑んで言うと
「おはよう」と彼も笑顔で返してくれた。
私、佐倉 菜月。20歳。一昨年高校を卒業して以来、モデルとして働いている。
で、私の前で料理をしてる彼は神野 葉月くん。同期のモデル仲間で同じく20歳。
私達は恋人同士じゃないけど、もう一年間も一緒に住んでいる。
理由は簡単。同じ時期に事務所に入って、両親を亡くしてお金も家もなかった二人。
『それなら一緒に住みなさい。協力すればなんとかなるわ。どうする??』社長の一言。
あの頃は、仕方なく一緒に住むんだって思ってた。けど、今考えたら運命だったんじゃないかと思う。すぐに兄妹みたいに仲良くなれて、モデルとしても成功して、一緒にいられるだけで幸せだと思えて。
だからかな??私は、今が幸せ過ぎて気付かなかったんだ。徐々に変わっていた二人の関係に。君の気持ちに。あの日までは‥‥。
*続く*