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先生は僕らの女王様
【教師 官能小説】

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崩れた均衡@二人の男からの愛撫-2

そして、清香が何に驚いたのかと言えばーー

「瀧岡先生、ひとりエッチとかするんだぁ」

「や、やだ、言い方……っ。別れたばっかだし……未練がなくたって、人肌恋しくなることもあるよ。ーーしてみたけど、空しくなったって話」

「子供いないんだし、本能的に性欲が沸き起こったっておかしくないだろ。先生を茶化すようなこと言うなよ」

しらーっとした冷たい目で清香を見て、理科の教員らしく、合理的なことを拓真が言う。

翔は恥ずかしそうに、目の前のハイボールの入ったグラスに口をつけていた。

「そんな高橋くんこそ、遊んでないわけ?」

ポテトチップスの塩分がついた口を親指で拭いながら、顎を出して、清香が尋ねる。

「ん〜。この間都内行った時に、ホテル行ったくらい」

「やーだ。おモテになるかたは違うよねえ」

「声かけてきたのがいい女だったら、ついてくだろ。それこそ本能だわ。からかわれるようなことじゃない」

顎をさすりながら、拓真はふん、と鼻を鳴らす。

「さっすが生物専門〜〜。本能に忠実だよねえ」

拓真は理科の科目の中でも、生物を任されている教員だった。
清香はケラケラと笑っていた。



清香の借りているマンションの一室は、1LKの作りになっている。
玄関を入ると、廊下があり、左手にトイレ、右手にバスルームと洗濯機置場がある。
廊下を通り、引き戸を開けると、左手前側にコンロ、調理台、シンクが横並びになったシステムキッチン。
右手奥に、縦に置かれたセミダブルのベッド。

ベッドサイドには清香が仕事をする用のデスクと椅子が置かれている。

左側は、普段由美香たちが来た時に囲むローテーブルが置いてある。
由美香と清香は、床に座るのが定番だ。
翔と拓真は、システムキッチンに背もたれがくっつくように置かれた二人がけのソファーに、足を伸ばせる、壁に沿ってL字型に並べられたカウチに腰をいつもかけている。
左の壁にはクローゼットがあり、清香の部屋にはテレビは置いていない。

あまりものがない、整然とした部屋だからこそ、普段の飲み会で使用しやすかったし、清香自身も人を呼ぶのに抵抗がなかったようだ。

先に進路指導部にいた後輩たちーー彼らに受け入れてもらえるかどうかも、由美香は不安だった。
だが進路指導部の部長になってからは、なおさら労ってくれ、約十歳も年上の自分に、年齢関係なく接してくれることに感謝していた。

時刻は二十二時半を回っていた。
早い時間から飲んでいたこともあるが、清香は既にベッドに入り、翔はカウチの上でーーいつも寝る時の位置で、寝てしまっている。

拓真は「そろそろ寝ますか」と由美香に声をかけた。

はじめ、翔や拓真が、清香の家に泊まっていると聞いた時は、良からぬ関係があるのではないかと疑ったが、少なくとも由美香が知っている限り、そんな事態は一度もなかった。

拓真はローテーブルを窓側に押しのけると、既にクローゼットから出してある三つ折りのグレーのマットレスを広げる。
体の小さい翔はカウチで、拓真はマットレスの上で、由美香は清香と同じベッドで寝るのが定番だった。


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