処女を散らす-6
彼は私の指さした場所を見て、初めてその事に気付いたようで、少し驚きの表情を浮かべて、一瞬動きが止まったのですが、首を二三度縦にふると
「うん。大丈夫。何とかするから、気にしないで」と笑ってくれました。
「ありがとう。ごめんなさい」
「うん。ついてきて」そう言って部屋から出て行きました。
私は脱いだ服をかき集めて、彼に続いて部屋を出ました。二階の彼の部屋から階段を降り、家の一番奥にあった浴室まで、真っ裸の二人の男女が歩いていく姿が、何とも奇妙な光景だったように感じていました
浴室に着くと、彼は棚からバスタオルを出してくれ、簡単に浴室内の説明をして出て行きました。私はまだシャワーの温度が上がる前からシャワーの中に立ち、素早く躰を流しました。おま〇こを洗う時にボディソープの泡が付いた指を中に入れると、先ほどまではそこにおち〇ちんが入っていたのだと言う感覚が蘇り、その時初めて、処女を失った思いが胸を満たしました。
服を着て、身だしなみを整え、私が部屋に戻ると、彼はすでに服を着ていて、ベッドのシーツは剥がされていました。そして彼は、ベッドマットにまで染みついた汚れを、タオルでこすっているところでした。
私に気付いた彼は、すぐにその上に一度剥がしたシーツを被せて
「あっ 早かったね? もっと時間が掛かると思ってた」
「それ、大丈夫? 落とせそう? 私も手伝おうか?」
「いや、ぜんぜん大丈夫っしょ。明日の夜まで親居ないし」
「ごめんね」
「いや、むしろ俺は嬉しい。。。」
その言葉の後に続いた二人の沈黙の時間に、私の心臓はまた早鐘を打ち出しました。そして彼の炎を灯したような瞳が私を捉え、彼の唇が動き出した時
「ごめんなさい。わたし、帰るね」
二人の間にあった熱い沈黙に、私はあえて終止符を打ったのでした。
押し黙ったままの二人は、階段を降りて玄関に立ちました。私は無言で靴を履き終えると、お礼を言おうと、いったん振り返りました。
その時、彼に強い力で抱きすくめられたのです。
「あっ。。。」
「ごめん。俺は君が好きだ! 好きだ! 好きだ! 考えて欲しい! 答えを聞かせて欲しい! 待ってるから」
彼に抱きすくめられたまま、私は口の中に溢れ出る唾を、ゴクリと音をたてて飲み込み、彼の腕の中で小さく頷きました。すると彼の腕の力が緩み、身体を放して私の目を覗き込みました。そして小さく頷いて、
「うん。待ってる。。。 送って行こうか?」
「大丈夫。チャリだし。とにかく、ありがとう」
そう言うと、私はドアを開け外に出て振り返り、少し開けたドアの隙間から、私が持っている最高の笑顔を彼にプレゼントして、勢いよくドアを閉めました。
高輪台にあった彼の家から、中目黒の私の自宅までは、自転車であれば二十分少々で着ける筈です。私はお尻を上げて勢いをつけて漕ぎ出しました。「好きだ!好きだ!好きだ!」自転車を漕ぐリズムに合わせて、彼の声が頭の中で鳴りました。
私は彼の事を思い返しました。「今日の須藤君はどうだったの? 優しかったし、私が期待したように、慣れている感じだった。私がもう少しで行きそうになるぐらい高めてくれた。痛みもほとんど与えなかった。私が望んだように、無駄なお話をしないでくれた。それに、思ったほど子供じみた所も感じなかった。彼ってモテるだけあって、結構良いのかも? 今の所百点満点じゃない? でも、待って、マイナスは?マイナスポイントは?」私は少し考えて「あっ! あの匂いを嗅ぎたがる癖! あれは嫌だわ! だって恥ずかしすぎる! 原点10ポイント」
そして私は、私を組み敷いた、彼の身体の事を思い出してしまいました。厚い胸板、ゴツゴツとした腕の筋肉、スポーツマン特有のお尻と腰回りの頑丈な厚い肉付「私はあの腰を、激しい速度で打ち付けられて来たんだわ」私はおま〇この奥がジュンと熱くなるのを感じました。「やっぱりマイナス5点。。。計95点。真剣に考えてみる価値があるのかも?」
目黒川添いの遊歩道には初夏の風が吹いていました。その風が私のワンピースの裾をなびかせて、時折す〜っと私の股間に侵入して来ました。私は自分で汚してしまった湿ったパンティに風が通る度に「もう、処女では無い。私は一人前の女になったのだ」と心から思える清々しさを感じていました。何か未だに異物が入っているような、不思議な感覚のおま〇こにさえ、不思議な親近感を感じられたのです。
「よし! もう直ぐ夏休み! 取りあえず、夏休みの間考えてみて、それでもまだ彼が待っていてくれたら、100点満点にしてあげるのも良いかも?」
私の中で、梅雨はすでに明けていました。