愛撫されて-3
午後一時すぎ、三原レイは、渡部が住むボナールマンション503号室にやって来た。ピンク色のコスモスの花束を持って。
レイの履いてきたストラップサンダルは鮮やかな赤だ。大人っぽい。緑色のリブニットセーターに、黒のAラインミニスカート。脚のラインが眩しい。素敵だ。
渡部は、レイが花を持ってくることは知っていたが、気持ちが昂ぶりすぎて、花瓶を出すことを忘れていた。
「渡部先生、花瓶はどこにありますか?」
「キッチンの上の棚だよ」
「わたし、上がって取ります」
レイは椅子に上がった。渡部は、紺色のストッキングに包まれた美脚に見惚れていた。ボクサーパンツの中、ペニスは勃起する。
流し台で花瓶を洗っているとき、渡部は少女に近づく。
「もう会えないと思っていた。レイちゃん怒っている、どうしようと思うと悲しかった」
「怒ってはいません」
「そうか……」
後ろから肩をそっと抱き、少女の頬に、頬をすり寄せた。レイの肩は震えていたが、拒まなかった。
渡部はレイの頬にキスした。染みのない綺麗な頬だ。
「お花、生けなきゃ」か細い声だ。
「そうだね。そのまえにキスしよう。そっとキスしたい」
「でも……」
「ぼくのこと、嫌い?」
レイは唇をひらいたが、何も言わない。
「嫌いだったら言ってほしい」
レイは首を微かに振って、「嫌いじゃないです」と言った。
正面を向かせて、渡部はレイの唇を奪った。少女は目を閉じて、渡部の左腕を掴んでいる。
唇と唇を合わせるだけのキスからはじまり、しだいに、唇を強く吸うキスに変化させた。渡部の右腕はレイの背中を抱く。
レイの唇は柔らかい。誰にも触れられていない花弁みたいだ。
キスの合い間、少女の口から吐息が洩れる。からだはすこし震えているようだ。
渡部はレイの頬を吸う。吸いながら、ショートカットの髪を撫で、耳朶をくすぐる。
「渡部先生。わたしとは年齢差あるし、まだ、わたしは子どもだし……ぁぁ……」
「年齢が離れていること、ぼくは気にしていないよ。それに、レイちゃんは子どもじゃない」
渡部はレイの背中と腰を抱きしめた。ふたりのからだはさらに密着する。渡部の腰は律動した。
レイは感じていた。ニット越しに感じていた。へその辺りを圧迫してくるゴムのような塊は、渡部さんのオチンチンだわ。怖い。渡部さんのこと、好きだけど怖い。どうすればいいの?