佐藤理央/加奈子とのねっとりセックス-11
それでも体を動かしてくれない理央に対して、我慢できなさそうに加奈子は腰をゆっくりと小刻みに、いいところに当たるように動かし出した。
「は……ぁ、ん……ちゅ……っ。ん、ふ……」
必死に舌を絡めるせいで、唇の隙間から、粘着質な音と荒い吐息が漏れ出る。
（あたし、理央のでお腹の裏側、自分から擦っちゃってる…！ 恥ずかしい……！）
あまりの恥ずかしさに顔から火が出てしまいそうだったが、発情した体は嘘がつけないようだった。
密着して、互いの唇を絡め、乳房に刺激を与えられながら、半ば体重をかけてねじ込まれるようにしてそれが挿入されているのに、理央が動いてくれないからーー
加奈子はシーツに足の平をつけていたが、自ら脚を浮かせて、理央の腰に絡めるようにして、引き寄せる。
どきん、と理央の胸が高鳴った。
加奈子が自らそんな風に脚を絡めることは、これまで数える程度だったからだ。
それでも、理央は腰を動かすことなく、乳頭に優しい刺激を与え続けるだけだったが。
「いじ、わる……っ。は、ぁ………はぁ……」
舌を絡めながらも、うわ言のように呟いた。
「も、ぉ……体が勝手に、理央の締め、ちゃう………っ。ぁ、あぁ……」
この静寂の中でも「いく……」と聞こえるか聞こえないかの声で、加奈子は呟いて、理央の体を抱き寄せた。
さらには先程よりも激しく、舌を吸う。
理央も、愛おしそうに両手を背中に回して、抱きしめる。
加奈子の背中は汗びっしょりだった。
「ん……ん、理央に気持ちよくして欲しいのに、意地悪」
涙目で、加奈子は理央のふわふわの髪の毛をゆっくりと撫でる。
「加奈子が自分で気持ちよくなるの、エロすぎるから見てたいもん」
「そんな、仕方ないでしょ……う？」
照れる加奈子をよそに、理央は結合したまま加奈子の腰を掴んで、加奈子が上になる体勢になる。
「や……やだっ……」
そう言いつつ、体を安定させるために加奈子は理央に抱きつかざるを得ない。
だから、加奈子のナカに理央の大きなそれが奥まで挿入されることを自ら促してしまう。
「やめ……っ。理央に気持ちよく、して欲しいって言ってるのに、んんっ」
加奈子はシーツに膝をつけて、腰をがくがくと震えさせる。
背中に這わせた理央の手の指先は、ゆっくりと背中をなぞった。
「あっ……あぁ……！」
そんな優しい刺激さえ、加奈子にとっては強烈だった。
理央は加奈子のむっちりとした腰の辺りに手を添えて、自分の真上にある加奈子の顔をじっと見つめる。
目をぎゅっと閉じて、理央の体にしがみつく様は、性的な経験が少ないゆえに、今まで理央が抱いてきたどの女たちよりも少女のように恥ずかしそうなのに。
だが、そのナカは熟れて、理央を快楽に溺れさせるには十分すぎるほどに極上の味だった。
理央が腰を動かさないから、ナカの、加奈子が感じる腹の裏側に理央のペニスが擦りつくように小刻みに腰を揺らす。
「はあ……はぁ……こんなに、だらしないの、嫌じゃない…？」
加奈子がいくら理央との行為にオープンになったとしても、過去のーー倉田との交際の中で、自分の女としての、あまり高くない価値が染み付いてしまっている以上、快楽を求めることは「だらしない」ことなのだろう。