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先輩のセカンドバージンは僕のもの
【熟女/人妻 官能小説】

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中村加奈子/夢と現の間で-7

木綿子は周りを見渡して、誰もいないことを確認すると、コピーした用紙を取って、加奈子の耳に口元を寄せる。

「違うの、何か今日、中村さん……エッチな感じするの」

言ったあと、すぐさま木綿子は下を向く。
何てことを加奈子に、しかも職場で言ってしまったんだろうと、恥ずかしくなる。

何も言わない加奈子をちらり、と見ると、加奈子はこちらを見ていてふふっと微笑んだ。

「んー。そう見えるんだとすれば、佐藤くんが早く起きてきて、二人で横になってたんだけど、ちょうど柚木が起きてきちゃって。ゆっくりできる時間が足りなかったかしらね」

さらり、と何でもないことのように加奈子は言う。
今までの真面目な加奈子からすれば考えられなかった。

口を金魚のようにパクパクさせる木綿子を見て、加奈子が意地悪そうに「仕事中ですよ」と呟くと、コピーした用紙を取って自席へ戻る。
加奈子と、理央の色香が波及して、今日の仕事中、木綿子は気がで出なかった。






ーーお昼、保管庫まで来てくれる?話したいことがあるの。


加奈子からそう、メッセージが午前中入っていた。

昼休憩時、加奈子は早々に席を立っており、隣の席にいない。
理央はコンビニで買ったパンをかじり、急いで飲み込むと、保管庫に向かう。

重たい扉を開けすぐの棚に、加奈子がもたれかかっていた。
理央と目が合うと、十列ほど棚が並んでいる一番奥のーー長椅子があるスペースまで手を引っ張られ、座らされる。

加奈子は理央の右隣に座ると、少しかがんで、胸元の辺りのシャツの布をーージャケットは羽織っていないーー引っ張ると、くん、と匂いを嗅ぐ。

「ーーやっぱり。木綿子ちゃんに、何かしたでしょ」

「えっ」

「木綿子ちゃんの香水の匂いする。隣いて、わかるくらいついてるわよ? 理央が女の子にひどいことするなんて思ってないけど、あたしに誤解されるようなことするの、やめなさい」

朝、彼女を抱きしめた時に、官能的な香水の香りが移ってしまったらしい。

「ごめん……」

しゅん、と項垂れる。

「何したの。何したら、こんなに匂いがつくの」

いつも以上に加奈子が怒っている。理央は加奈子の目が見れなかったが、嘘をつくのはまずいと思った。

「朝……遠月さんのことぎゅって……した……」

「それ。友達としてスキンシップしただけって、言い切れる?」

「言いきれない……と思う……」

嘘をついても、つかなくても、事態は最悪だ。
顔を胸元に押し付けるようにして、木綿子に抱きついたのだから。
加奈子はため息をついた。

「ーーあたし、誘導尋問してる、ごめん。どんな理由があってもそれ以外言えないもんね。忘れて」

立ち上がろうする加奈子の腕を、理央は掴んだ。

「朝も、機嫌悪そうにして、ごめん。子供でごめん……。朝、加奈子といるの辛かったんだもん。それに、遠月さんに抱きついたのは他の女の人の匂いで、加奈子のこと考えないようにしたかったからだもん」

「え?」

加奈子が目を見開く。
一方、理央は顔を真っ赤にして下を向いている。

「給湯室の丸椅子座って、遠月さんが挨拶してくれたとき抱きしめたの。あの香水、いい匂いだと思うけど……ぎゅってしたら、これじゃないって、余計加奈子のこと考えちゃった。加奈子じゃないとヤダ」

「木綿子ちゃん、怒ったんじゃないの」

「わかんない……でも、頭ぽんぽんしてくれた」


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