Breather-8
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「--------・・・・・はっ!!!」
セリスが目を見開いた時、寝室内は未だに漆黒の夜の帳に包まれたままだった。
仰向けのままのセリスの金髪やネグリジェはシーツの上で乱れ、心なしか肌も汗ばんでしまっている。
全身に残る気だるさを感じながら、ゆっくりと上体を起こしランプのスイッチを入れてみた。
ぼんやりと明るくなったベッド周りや室内を見回し確認してみたが、室内には侵入者の痕跡は見つけることができなかった。
壁時計の針がベットに入ってから4時間足らずであることを示している。
「はああ・・・・・」
セリスはがっくりと肩を落とす。
寝付かれない状態で殆ど時間が経っていないこともさることながら、
あれほど生々しい体験が実は“夢”であったこと、
しかも最後の最後にセリス自身が達する直前で“夢”が途切れたことがセリスの失望の原因だった。
(あんな夢・・・・・今まで見たことないんじゃないかしら)
夢の中でセリスを翻弄した人物は、彼女自身の心中に眠っていた願望が形になったものかもしれない、と思う。
(それだけ私の中で、自由に出歩けないことへの不満が溜まっているわけね。それに・・・・)
セリスが王妃になってから重ねてきた男達との出逢いのような刺激がないことも。
ふと下腹部に手をやれば、既にショーツは赤面してしまうくらい濡れてしまっている。
「・・・・ああっっ、もうっ!!!!!!」
マットが大きく軋む音とともに、セリスは背中からベットに倒れ込んだ-------
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