Breather-15
「いけない、やめて・・・・・・・」
セリスの中に一瞬恐怖の念がよぎり、セリスは唇を離し密着してくる領主の胸板を両手で押しのけようと試みた。
だが領主も怯むことなく、半歩前へ踏み込みつつ胸板を押し付けながら再び顔を近づけ、セリスのピンク色の唇を求めた。
(そんな・・・・・・・)
再度唇が重なり互いの舌が絡み合った時、セリスは自身の身体の力が急速に萎えていくのを感じていた。
セリスの中でこれ以上はいけないという気持ちと、領主との交歓を待ち望み受け入れようとする気持ちが葛藤していた。
その中で一昨日の夢の情景も記憶の淵から浮き上がり、セリスの現状と重なり合う。
立ったままのセリスの開かれた両足の間に領主が収まるように、互いの下腹部が衣類越しに密着していた。
領主の下腹部の膨らみと熱にセリスは息を呑む。
自らの身体も反応して熱を帯び、下腹部の茂みがうっすらと蜜を滲ませてきたのが分かった。
「私と同じだ・・・・・・」
「え・・・・・・・」
「やはり貴女も、忘れていなかったんですよ・・・・・私とのことを」
互いの唇と鼻息が触れ合う距離での領主の呟き。
それは“こうなること”を薄々予測し望みながら、ここまで領主と行動を共にしていたセリスの本心を言い当てていた。
内なる本心を見抜かれたセリスの抵抗は更に弱く、形だけのものになっていく。
自然な流れで領主と口を吸い合いつつ、一方で王妃という立場と城内における他人の視線を意識してこれ以上はいけないと心の中では叫んでいる。
だが身体の内奥では領主の愛撫を懐かしみ悦んでいるかのような反応を起こしていた。
辛うじて領主の腕の力が緩んだ時、セリスは右手を抜き出し頭上まで掲げていた。
だが彼女の抵抗もここまでだった。
領主が体勢を変え両手をセリスの上位の裾をまくり上げにかかった時、
セリスは思わず背中を反らしていた。
露わになった喉元に領主の濡れた唇を感じつつ、セリスは喘ぐような呟きを空中に吐き出していた。
「駄・・・・・目・・・・・・・」
いつしかセリスの身も心はズルズルと欲望の奈落へと沈んでいこうとしていたーーーー
いつしかセリスは背中を石壁に預けつつ、両手を壁に添えて立姿勢を維持しながら眼前に立つ領主の愛撫に身を任せていた。
まくりあげられた上衣の隙間から領主の右手がショーツ越しに尻の上をゆっくり滑らせて徐々に前面の下腹部へと進んでいくのが分かる。
「ああ・・・・・」
セリスの喘ぎと溜息を合図に、彼女のズボンのベルトの留め金がまるで魔法のように音を立てて外れた。
力を失ってずり落ちるズボンを尻目に領主の２本の指がセリスのパンティーの布端をずらして奥へ奥へと進んでくる。
金髪の茂みは既にじんわりと蜜で湿っていることに、セリスはこの段階で漸く自覚した。
巧みな指捌きで茂みに指を絡ませつつ、その指が茂みの奥に潜む薔薇の中央に差し入れられる。
自分の襞が領主の指を歓迎し、吸い付きながら波打つのが分かる。
密かに待ち望んでいた感触が予想以上の速さで薔薇から蜜を溢れさせ、指の動きもそれに合わせて緩急をつけていく。
「素晴らしい・・・・前回と同じだ」
右手の指の動きを止めることなく、左手でセリスの胸元をまくりあげていた領主が片膝をつく。
そしてセリスの下腹部に顔を近づけながら呟いていた。
「ただ今回は前回よりも時間が限られているのが惜しい・・・・」
領主は一旦右手の愛撫をやめて指を引き抜くと、そのままセリスのパンティーをスルスルと膝付近までずり落としていく。
両手の指がセリスの薔薇の入口を広げるや、やや性急気味にセリスの茂みに吸いつき舌を差し入れた。