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Queen Celes
【二次創作 官能小説】

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Breather-13

ひとしきり宝物庫の中を一巡した後、2人が宝物庫の比較的奥まった区画に至った時だった。




「やっと二人きりになれました・・・・」




領主の言葉にセリスははっとして振り返り、思わず相手の顔を見つめる。

薄暗さの中にも領主の口元の頬笑み、
獲物を狙う鷹のような鋭い眼差し、

そして瞳の奥に燃え盛る”欲望の焔“がはっきりと認めることができた。

この焔はセリスにとっては様々な男達との逢瀬で見慣れたもの。




「私の館ならいざ知らず、流石にフィガロ城内では周りの目もある。

・・・・その点、私に城を案内してくれた事自体セリス様のご配慮であると思っています」



「私は・・・・・・」



セリスの心中の奥底にあるものを見抜いたかのような言い回しに、
セリスは言葉に詰まってしまう。

実質的に2人だけの密室でやや微妙な空気が流れた。




「あの夜のこと・・・・・」



「え・・・・・・」



「私は忘れてはいません。セリス様も、そうだと思うのですが、いかがですか・・・・?」




領主の告白にセリスは一瞬息を呑む。




「今日エドガー陛下が城にいらっしゃるのであれば私はここに足を運ばなかった。

セリス様にお逢いし、再びあの時のように・・・・」



「そんな・・・・・」



ある程度予想し、また期待していた言葉とはいえ、いざ面と向かって口にされると、
セリスには嬉しさよりも戸惑いが先に立った。

まして2人の向かい合う宝物庫の棚と棚或いは棚と壁の間の通り道は、人と人が肩を触れ合わせた上で漸く通り抜けられるくらいの間隔。
空間の重々しさや2人きりという圧迫も相まって、セリスとしてはここから逃れられない心の中にある。





「セリス様は美しい・・・・以前よりも一層美しくなられた。

私の中でセリス様は未だ最上の女性ですよ・・・・」



「・・・・・・・・・」




初めて彼と対面した時とほぼ同じ言葉は、領主からセリスへの告白そのものと言ってよかった。
その言葉の1つ1つがセリスには妙に快い。


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