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“異聞”真田太平記
【二次創作 官能小説】

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山田屋敷〜第二夜〜-2

湯殿の前で襦袢を脱ぎ、鍛えられた若々しい躰一つになった源二郎の周囲には煙のような朝靄がそこかしこに漂い、歩を進める足の裏から湯殿の縁の冷たい水気が伝わってくる。


明るくなりつつあるとはいえ夜明け前ということもあり、一見して湯殿には人はいないと思っていた。

いや、だからこそ“先客”だけはいるのではないかという期待もあったのだ。





そんな源二郎の期待は外れなかった。

源二郎が湯船に片足を沈ませようとしたのに合わせて、広い湯殿の奥の岩影の微かな水音と共に黒い影がゆっくりと白い靄の中から姿を現した。





「お江・・・・・・」




源二郎の呟きに、湯船に半身を浸していたお江の横顔に微笑みが浮かんだのが分かった。

源二郎同様に手拭いを持ち胸元を隠してはいるものの、上から見下ろす形の源二郎の視線の先に昨晩目にしたのと同じ豊かな乳房の膨らみと谷間の陰影がそこにあった。


玉のような汗が一滴、首元から乳房の谷間に向かって白い肌を滑り落ちていく。







闇の中でお江と結ばれた時の躰の反応を源二郎は思い出す。

自分の下腹部が反応するのが分かった。



ゆっくりと湯の中をかき分けながら、お江の方へ近づいていく。

待ち受ける形のお江も微笑みを絶やさずに源二郎を見上げている。





「昨晩はよく眠れたようでございますなぁ・・・・」




「・・・・お陰でこんなに早く目を覚ますことになったわ」




「ま・・・・・・・」





「・・・・おれが来るのが分かっていたのか?」




「何となく・・・・夜が明けてしまうと、何分人目もありますから」




「うむ・・・・・」





言葉を交わしながらも源二郎の目は、
お江の躰に釘付けになっている。

昨日も同じ湯殿で初めてお江の裸体を目にしていたが、その時は見事な女体を目にした衝撃が先にたち、女体そのものを愛でる余裕すらなかった。


昨晩の交歓を通じて“女体とはいかなるものか”の一端に触れたこともあり、源二郎の瞳は自然と湯船の中に沈むお江の躰の節々まで捉えていた。




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