恥辱の会食 / 番外編:W氏の「港区女子」リスト 【イラストあり】-6
会食の最後、ゆきはVの情婦となることを承諾させられた。それがA社が「Vの会社」と取引を継続し、素人掲示板を流出させないための条件だった。逆らえば家族に危害が及ぶこともしっかり仄めかした。
「すみませんね、お先にゆきを頂いちゃって。へへへ」
「ダメに決まってるだろ。俺が先だ」
「えぇ? いったいいつまで待ちゃいいんです?」
「まあ慌てるな。そんな待たせないから」
「言っちゃあなんですが『いい人ポジ』のままじゃ難しくねぇですか? 昔も最初はレイプまがいにヤっちまったんでしょう?」
「そうだな。『いい人』じゃあいい女は落とせん」
「ほらあ」
「しかし『すごくいい人』なら、話は別だ」
「なんですかそりゃあ。まあお早めに頼みますよ、後ろがつかえてるんで」
いい女を落とすには金か恐怖が手っ取り早い。しかしただでさえVに怯えているゆきを、自分まで恐怖で支配しようとすれば彼女は追い詰められる。追い詰められた人間は怖い。主(あるじ)に刃を向けるか、その刃を自分自身に向けるか、あるいはその両方だからだ。
今回なかなか落ちないゆきに対し反社会的勢力という恐怖を突きつけることで支配下に置くことに成功したが、本音を言えばできれば使いたくないカードではあった。今後ゆきは、連日の性接待に加え「ヤクザの情婦」として生きることを強いられる。控えめに言っても生き地獄。生きるのが地獄ならば刃を――彼女の性格からすれば――自分自身に向けても不思議はない。
せっかくの上玉を文字通りすぐ亡くしてしまってはもったいない。ならどうするか? 希望を見せてやればいい。自分がゆきの唯一の味方となり、「Vの件はいずれ必ずなんとかする」などと未来への淡い希望を抱かせ、自死を思いとどまらせ、言うことを聞かせる。
お得意のアメとムチ、いやもうここまで来たら天国と地獄と言ったほうが適切か。ゆきもすぐ悟るだろう。俺の愛人になることが最善なのだと。自分の愛人で居続ける限り地位も名誉も金も思いのまま。この世の天国を見せてやる。裏では地獄の務めを果たしてもらうがな。
「まあ、まかせておけ」
「へーい。それまではゆきちゃんの生パンティーでオナニーに励んでまさあ。つーんと香しい匂いがしてましてね、へっへっへ。ブラとキャミもちょっと汗臭くて酸っぱくって最高でしたわ」
あの女の、女としての価値が尽きるまで「高級娼婦」兼「ヤクザの情婦」兼「次期社長の愛人」兼「社のマスコットキャラクター」として、徹底的にしゃぶりつくす。それが、あいつが秘書として俺の「役に立つ」ということ。
「さて。これで準備は完璧に整った」
「いよいよですな」
「ああ。要人接待リストの上から順にゆきに相手させる」
* * *