清二さんと美佳さん-1
僕が佐伯家のお母さん、敏江さんと月一で関係を持つようになってしばらくして、昼休みに会社の近くの公園でのんびりしている時に佐伯さんが、「瀬戸君、ちょっといい?」 「は?なんでしょうか?」 「う、うん、今、月一で家に来てくれているよね。」 「はあ、伺ってますね。」 「うん、その時に美幸さんのお母さんを伴ってくるようになったの?」 「え!どうしてそれを?」 「うん、父がね、お前に秘密にしておくのはよくないからって、この前話してくれたの。」 「はあ、どういう風に?」 「うん、うちの両親が旅行先で偶然美佳さんと知り合ってその時に父と美佳さんが意気投合して母の合意のもとに関係を持ってしまったって。それがまたたまたま瀬戸君のフィアンセのお母様だってわかったらしいわね。それで、瀬戸君に何とかお願いして瀬戸君がうちに来る時に一緒に来るように言ってくれって。」 「はあ、この前お伺いした時に僕にも言われました。」 「美幸さんのお母様、本当にいいのかしら?私の父と・・・。」 「あ、どうなんでしょう?僕も分かりません。」 「ま、いいけど、とにかく一度瀬戸君からお願いしてくれない?瀬戸君がうちに来る時にご一緒にって。」 「はあ、分かりました。でもその時は佐伯さんはどうされます?」 「あ、その時はさすがに私が家に居たんではまずいでしょうからね、どこか友達の家にでも行くわ。」 「いいんですか?佐伯さん、それで。」 「うん、私はいつでも友達の家に泊まれるからいいのよ。もちろん女性よ、瀬戸君は心配しないで。」 「は、はあ、すいません、僕、本当は佐伯さんもご一緒に、お母様と・・・。なんですけど。」 「瀬戸君、私と母を同時にして俗にいう親子どんぶりをしたかったの?」 「え!そ、そうじゃなくて、僕と佐伯さんの関係を認めてもらえるかもしれないと思って。」 「それはダメでしょう、だって瀬戸君にはフィアンセがいるのに私と関係しているって両親が知ってしまったら。」 「は、はあ、そうですよね。」
それからしばらくして僕と美佳さんが佐伯さんの家に行く日がやってきました。佐伯家からの迎えの車が僕を乗せて美佳さんとの待ち合わせの場所に行くと、美佳さんが道の端に立って待っていました。「運転手さん、あの女性です、すいません。」 「あ、はい、分かりました。」 車を横付けした時僕が窓を開けて、「美佳さんこっちこっち、この車に乗って。」 「あ、え、この車?」 とドアを開けるとすぐに乗ってきて、「お待たせしました。」 「あ、いや、今来たところよ。この車でいつも迎えに来てくれるの?」 「はあ、そうです。会社まで迎えに来てくれています。」 「はあ、そうなの、さすがね。」 「はあ、家に行けばもっとびっくりしますよ、御殿みたいですよ。凄くお金持ちの家みたいですよ。ねえ、運転手さん。」 「はい、少し前まで佐伯ホールディングスの社長をされていました。今は奥様が社長、旦那様は会長をされています。いずれお嬢様が後を継がれると思います。」 「え!お嬢様って佐伯レミさんですか?」 「はい、そうです。」 「そ、そうなんですか?知らなかった。」 「へえ、そうなんだ。凄いわね。ま、私には関係ないけど。私が関心があるのはあっちだけ。」 「美佳さん!それは、そうですけど、どうなんでしょう?まあ、ある意味、僕にも関係はないけど。」 僕はこの時(佐伯さんて大金持ちだったんだ。なのにどうして普通の事務職員として働いているんだろう?面白い人だなあ、ま、いいけど。)と思っていました。
車が佐伯家の前に着くと運転手さんがすぐにドアを開けてくれインターフォンを押して、「瀬戸様とお連れ様をお連れしました。私はこれで失礼します。」と言って車で走って行きました。すると通用門が開き、「いらっしゃいませ、旦那様と奥様がお待ちです、どうぞ。」と僕たちを中に入れて鍵をかけ玄関まで案内してくれ、「いらっしゃいました、私はこれで失礼します。」と僕たちを中に入れて自分は帰って行きました。
美佳さんは、「凄い家ね、おまけに家政婦さんまで居るんだ、びっくりしちゃった。」 「はあ、僕が御殿の様だって言ったでしょう?」 「本当に御殿だね、いくつ部屋があるんだろう?」 「さあ、どうなんでしょう。」
「さあさあ、どうぞこちらへ。」と敏江さんが僕たちを招き入れリビングへ通してくれました。そして清二さんが出てきて、「やあ、み、美佳さん!待っていましたよ!さ、さ、こちらへ。」 「まあ、あなた、嬉しそうに、顔がほころんでますわよ。」 「そ、そうかい?美佳さん、随分ご無沙汰しています、お元気でしたか?」 「はい、代わりなくしていました。」 「それは何より、はあ、顔が拝見できてよかった〜、もう来ていただけないかと思っていました。」 「いいえ、翔君から話を聞いた時はびっくりしましたよ、でも是非にってお聞きしたのでお伺いしました。」 「そうそう、翔君のね、お相手ってね、ほら、ね、あの旅行の時に、ね、なんて言うか、ね、そうでしょう?」 「はあはあ、翔君、私の不倫相手ですからね、娘のフィアンセでもあるのでちょっと複雑な関係ですけどね。」 「らしいですね、びっくりしました。」 「いえ、いいんですよ。だって、私は翔君のあれだけが目的ですから。」 「はあ、はっきりしたお方ですね。」 「はい、昔からそうです。」 「まあまあ、まず食事をしましょうよ、美佳さんお酒がお好きなんでしょう?」 「はい、大好きです。」 「よかった、今日は三人で飲みましょう。翔君はたくさん食べてね。」 「はい、いただきます。」
美佳さんと清二さん、敏江さんは三人でワインやブランデー、ウィスキーを食事をしながら楽しそうに飲んでいましたが、僕はお酒が飲めないのでそんな三人を見ながらたくさん食べていました。