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《絵本》
【ファンタジー 恋愛小説】

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《絵本》-1

しゅわしゅわな泡が空で踊っていた。この頃は明るい青空だ。前降ったピンク色のシャワーをもう一度見たい。でもピンク色のシャワーが流れると花達がそして、私までも染まってしまう。だからそんなに来てもらっても困るかな。もぅたいぶたつのかな?ピンク色が乾いて色とりどりの花達が歌っていた。私も一緒に歌おう。


今日は色をかえましょ?
誰だか解らないくらぃ
カラフルな
今日は色をかえましょ?
あの娘が言ったから
首が長いキリンさん?
貴方の模様は花柄で
その黄色い皮を脱ぎ捨てて赤く塗りましょ
ばらのょぅに
ばらになれない
キリンさん
お耳が長いうさぎチャン?
貴方のおめめは星型で
その白い毛皮を
脱ぎ捨てて
オレンジ色に染めましょ
マーガレットのょぅに
マーガレットになれない
うさぎチャン
自ら死にゆく人間さん?
貴方の心は水玉模様
その血色の殻を
脱ぎ捨てて
ピンクに染めましょ
子供の頃のように
子供になれない
大人達


花達が歌い終わると必ず蝶が飛んでくる。蝶が運んでくる甘い甘い香りの風を私は舌で舐めた。すると、鳥が羽根を広げた。飛べない鳥は羽根を広げてジャンプした。鳥なのになぜ飛べないの?…私は恐くて聞けなかった。ふと後ろを見ると、タクシードを着た猿が私を見てお辞儀をした。猿の隣には水色のテーブルが置いてあり、テーブルの上にはいくつものビンが並んでいた。私は水色の椅子に座りピンク色のお皿にビンを置いた。大きめのコルクを抜くとチョコの香りがした。きっとチョコケーキだ。私はぺろっと舐めて次のビンへと手をやった。ぜんぶ食べ終わると私は猿にお辞儀をし、紫色の空に向かって走った。花畑をぬけると、真っ白な雪が一面に咲いていた。一本だけ赤い道がある。この道を私は必死に走った。あの紫色の空の中にある黒い穴に入りたくて。夢中で走って居ると右から気配を感じた。私は恐くて立ち止まった。横目で気配の場所を見た。直視出来ないその物体。真っ白な雪の中に赤い着物を着た真っ白な兎。ただこっちを見て立っているだけなのに。それはまるで
これから先は行くなと気配で語っていた。恐くてたっているのか、寒くてたっているのかわからない鳥肌を払うことができなぃ。私は花畑の方へと振り返らずに帰った。するとシャワーが空から舞い降りた。花達がピンクに私も髪がピンクに染まりかけていた。私は回りながら花達の歌に合わせて踊った。


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