《絵本》-2
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チユハカヒ チユハカヒ
フムフニカヒカ チユハカヒ
フハカシムカヒカヒヒニカ
レシヤユハシヤユメツムフ
皆皆空も一緒に
チユハカヒ チユハカヒ
フムフニカヒカ チユハカヒ
皆皆蟻も一緒に
チユハカヒ チユハカヒ
カツカムユ チユハカヒ
♪
並べられたカタカナを覚えられなくて。この歌は歌ったことはなぃ。季節とゆうか、天気によって花達は歌を変える。ピンクが体中に染み渡る。血の色まで色を染めてしまぃそうだ。私は染まりたかった。自分で居る事が嫌だった。だからここが好き。だからここに居させて下さい。染まれ。染まれ…。
「アナタハココノジュウミンデハナイ。」片言で喋り出した蝶の蛹。やめて。やめて…。「アナタハココノジュウミンデハナイ。」やめて。好きなところにいさせてょ。ここに居たいの。現実に帰りたくない。私は走った。また走った。暗い道を走った。花達が私を見つめていた。白い雪の赤い道。赤い兎を無視して走った。走った…。静まり返った所に大きな水溜まりがあった。なんだか、喉がかわいたので、その水を飲もうとした時…映った自分の姿が一瞬で目に焼き付いた。ぶわぁっと生温い風が体中を去った。同時に咲いて居た花、一面にあった雪、兎がろうのように溶けた。
…やめて。
…ガタンゴトン。
ガタンゴトン。
目を開くと電車に揺られていた。過ぎ行く景色。景色?違う。私だ。過ぎ行く今を流れ行く時を窓に映している。普通に恋をして、普通に悩んだ未来。傷が入ったあの日が蘇る。蘇る。自分でぁりたくなかった。また、またぁの生活に戻りたくなぃ。醜いあひるの子は、醜いまま生涯を過ごしました。。
…ガタンゴトン
…ガタンゴトン…
あっ。賢(ケン)だ。賢の笑顔がすき。賢とは仕事場が一緒だった。はにかんだ笑顔が可愛くて、皆の人気者だった。私にも優しかったの。いつも?見てた。賢はね、こっそり絵本を書いているの。これは私と賢だけの内緒事。でもかわぃぃでしょ?すごく愛らしいでしょ?だからこの想いを叫びたくて。賢に告白したの。大好きだって。そしたら賢が…
「不細工は嫌いだ」
って言うから。整形したょ。綺麗になったんだよ?また告白したら
「整形した女は嫌い」
だって。だから、もとの顔に戻したの。でも賢は…他の会社に転勤していたの。だからね、毎日手紙を書いたの。今日あったこと、今日も貴方を思っている事。154通書いた時に返事がきたの。
「これ以上しつこいと殺すぞ」
って。私はうれしかった。返事をくれるなんて。殺してほしい。賢に殺されたい。私は賢の家に向かった。古いアパートで一人暮し。もぅ帰ってる時間だ。そうだ!賢のだいすきなチョコケーキを買って行こう。私は走って近くのお菓子屋さんにいって、二つケーキを買ったの。
…ピンポーン
「けん!ケーキかってきたの!一緒にたべよ!」
あっ!ドアに鍵がかかっていない。
思った以上に重い扉を開いた。
がちゃっ。