(最終話)昔の男との邂逅C-14
「あ、あぁっ……!」
理央はガツガツと腰を打ち付ける。
普段加奈子が嫌がる体位だから、後背位での挿入をすることは、ほぼないと言っていい。
この体勢で無我夢中にセックスをするのは新鮮だった。
加奈子も加奈子で、自らのいいところに当てたいのか、腰を小刻みに動かしている。
「ぁあっ、ごめ……なさ……いっ……だらし……なくて…………恥ずかしい……!」
普段は真面目な加奈子が、後背位を嫌がる加奈子が打ち付ける腰に応えて、自分も腰を振っている。
「あ、……んっ、だらしないとこ、見て……嫌いに、ならないで……あぁっ」
「かな…こ……こんなエロいとこ見て、嫌いになると思ってんの?」
汗だくになりながら腰を打ち付けて、ふふっと理央は笑う。
いつも加奈子を乱暴に扱う自分が、いつ嫌われるかと不安で堪らないのに。
「は……ぁ、だっ、て、理央の前だと、おかしく、なっちゃうから……! 自分の嫌なとこ、全部、出ちゃうから……っ」
「嫌なとこって……?」
「ん、んぅ、気持ちよくなって、だらしない……し、ヤキモチ……妬くし……っ」
パンッと奥を突き上げる。
「ぁあああっ」
加奈子が体を仰け反らせた瞬間、じゅわ、ばしゃっ、と布団に体液が落ちる音がした。
潮を噴いてしまったらしい。
「ぁあ……っ。ごめ、なさ……汚い……っ」
理央は一旦体を離して、がくがくと体を震わせる加奈子を仰向けにさせる。
加奈子はシーツを汚した恥ずかしさから、泣いているらしかった。
「真面目な加奈子が、僕の前だと気持ちよくなってくれるってことでしょ? だらしなくないし、汚くない」
理央は倒れ込んで、涙で濡らす頬にキスを落とす。
こんな姿を、エロいでしょ、セックスしたいでしょ、と見せつける女ばかりだったから、愛おしくて堪らない。
だらしなくも、何ともないのに。
「だ……って、本間さんなら、きっと、も……っとうまく、理央のこと……誘えるのに……っ」
加奈子が泣きながらそう訴えるから、思わずふふっと理央は笑う。
「なん、で、笑うの……っ」
加奈子が恥ずかしさと怒りから、理央の体を引き寄せる。
「ーー可愛いから。
言っとくけど、加奈子は本間さんなんかと比べ物にならないくらい、僕にとってイイ女だよ。亨にも言われたでしょ。女の子の体だけ繋げてれば良かった僕が、加奈子の全部が欲しいってそういうこと」
「本当……?」
「加奈子が言ったんだよ、加奈子が僕を欲しがるのは安心したいからで、理央も同じじゃないのって」
加奈子の唇に優しくキスを落として腰を掴むと、一気にそれを突き立てる。
「あ、あぁっ……」
「細くて、ナカもギチギチしてるのに、こんなに咥えこんじゃうなんて。僕のとぴったりじゃん」
加奈子は理央の頬を挟み込むと、理央の唇を吸い、舌を絡める。