夫婦の在り方-2
3日もすると熱はすっかり下がり、少しやつれはしたが元気な妻に回復した。
「もう起きても平気なの?」
「うん、アキのおかげですっかり良くなったよ。ごめんね、心配かけて」
「だから謝ることじゃないって」
まだうつるかもしれないからと、朝仕事に出る時はキスを拒まれてしまった。これに対しても申し訳なさそうに謝られたが、私の健康面を気遣ってのことだ。
この3日で少し溜まった書類を終わらせるため、昼間は家に戻らずにコンビニ飯を事務所でかきこんだ。
『変わりない?』
LINEで体調を確認したが、わけの分からないスタンプを返された。元気なのだろう。
夕方は定刻通りに帰宅し、3日ぶりに妻と食卓を囲んだ。
「アキ、お醤油取ってくれる?ありがと」
「そんな…醤油はお互いが取れる場所に置いとけよって暴言吐いてた蛍子の口から『ありがとう』なんて…」
「いやいや、さんざん看病してくれた人にいきなり暴言なんてしないでしょ」
以前はこんな軽口でも小突いてくるSで攻撃的な妻だったが、すっかりおしとやかになった。
妻が入浴中に洗い物を片付け、続けて私がお風呂に入った。湯船にゆったり浸かっていると、すでに入浴を済ませた妻が入ってきた。
「どうしたの?」
「うん…ねえアキ、見て」
妻がしゃがんで足を広げると、アンダーヘアがわずかに伸び始めていた。
「アキの手で剃ってくれる?」
「あ…い、いいよ…」
少し恥ずかしそうに目を伏せる妻の姿に、私の下半身はピクリと反応をした。
レディース用のシェービングジェルをVラインに塗り、シェーバーで丁寧にゆっくりと生えかけのアンダーヘアを剃った。
自分の髭のようにはいかず、やや剃刀負けができてしまったが以前のように妻は怒らなかった。
一緒に上がって脱衣所で妻の体を拭く時には、すでに1番硬い状態にまで勃起していた。
妻の目に優しさが滲み、私に唇を重ねながら勃起に手を添えた。慈愛のようでもあり、子に向けられる母性のようにも見える笑みだった。ハジメ君の勃起を見つめる時の牝の表情とは、断じて違った。
以前のように私を蔑み、嘲笑し、犬となった私を蹂躙する妻ではなくなってしまった。
世間から見れば、これまでの私たち夫婦の関係そ方が異常だったのかもしれない。だが、どちらかが我慢していた関係ではなかったはずだ。周りに理解なんてされなくても、それが私たち夫婦の在り方だったはずだ。
今は妻が優しく、私のことを大切に扱ってくれる。性行為にしても私を弄ぶようなことを一切しない。
たった1人の若い男に、妻はこんなにも歪に変えられてしまった。若い男の雄の肉棒に、夫婦の在り方をねじ曲げられてしまった。
妻が子宮でハジメ君の肉棒を受け入れるための準備であることを私は知っている。私への愛ゆえの変化ではない。私は………。
「アキ…ああ…ねぇ……もうして……」
洗面台にもたれるようにして足を肩幅に開く妻の足下に跪き、包皮を剥きながら舌で転がすと、妻は切なそうに言った。
「明後日からお店に顔出すから…」
「うん…」
私が立ち上がると妻は私に背を向け、洗面台に手を付きながら言った。仕事を再開することに罪悪感があるかのように、私に顔を見せなかった。
「んっ…あっ…あっはぁ…はぁぁ…んっ…………んっ……」
妻の骨盤を後ろからがっちりと掴み、最高潮にまで張りつめた逸物を突き刺し、大きめのピストンで責めた。
以前より確実に感度は上がっているが、それでも妻が満足できていないのは容易に分かった。
あっけなく腰のくびれに放出し、汗ばんでしまった私たちはもう一度シャワーを浴びた。
2人でベッドに横たわっても、妻は私に背を向けていた。
「もう。明日仕事なんでしょ?」
キャミソールとショーツだけで横たわる妻の、ショーツの紐をほどいた。ワレメの襞を広げながら粘膜をなぞったが、既に乾いていた。
「またハジメ君に会うのかと思ったら興奮しちゃってさ」
「2人で過ごしてるんだからその名前は出さなくていいでしょ」
ここ最近は聞くことのなかった冷淡な口調で返された。
だが、ハジメ君の名前を口にした直後から粘膜は著しく潤みを帯び始めたのだ。
私は再び激しく勃起し、背を向ける妻を俯せに押し付けると上から覆い被さり犯すように抱いた。
「もう、バカじゃないの、んっ…」
ヌルリと入ったペニスを激しく出し入れしながら、火照って染まるうなじを見つめた。同じ視線で妻を見てもハジメ君と私では見ることのできる妻の反応は違う。
「んっ……んっんっんっんっんっ…あっあぁっはぁぁぁっ…あっあっあっあっあっ………は…はじ………んんんっんぅ…い……もう……逝きそう………」
「蛍子……」
妻より先に果てたが嫌みは言われず、お互いに抱き合って眠りについた。