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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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Wという男-5

 弱みを握り、金で繋がり、女をあてがう。
 種を明かせばなんだそんなことかと拍子抜けするほど単純極まりない人心掌握術だが、結局は本能に直接訴える手段が一番効果的であることをWは知っていた。並の人間ならば怖気づいて手が出せぬ、下品で、無節操で、犯罪すれすれ――もしくは犯罪そのもの――の行為。それを躊躇なくやりきる凄みが、Wにはあった。

  *

 Vを追い払い一人になったWは、テーブルの上に広げられたままのゆきの痴態画像をパラパラとめくる。

 彼とて予測していなかった。
 まさかここまで奔放な異性関係をあのOゆきが楽しんでいようとは。しかも三人の男のうちひとりは同社社員のY、ひとりはE通堂のF。さらには社内で密かに広まっている素人掲示板「人妻ゆきのスレッド」と突き合わせて見れば、その投稿主がFであることも明らかである。
「人妻ゆきのスレッド」については、他の同僚たちは単にゆきの「そっくりさん」と認識しているようだったがWにはすぐわかった。ベッドの上の媚びた仕草に切ない甘え声、それがかつて何度も抱いたゆきのものであることに。

 期せずしてYやFの弱みを掴んだことも、Wには好材料。すべての状況が、自分に味方してくれている。Wは今後について作戦を巡らせる。
 もはやゆきと旦那のOの関係は冷え切っているのだろう。彼らはセックスレスということを除けば仲の良い夫婦だと思っていたが、こうとなれば遠慮はいらぬ。彼女を落とすのは想定していたより簡単かもしれない。

 タレントやモデルたちと違い一般人の彼女を「接待要員」とするのはたしかに難しいミッションである。しかしだからこそ「値打ち」がある。これまで接待先から「A社の女性社員」のアテンドを暗に要求されたことは一度や二度ではない。そのたびにWは港区女子を「社員」として差し出し、あてがわれた側も彼女らが実は「プロ」であると半ば理解しつつ茶番に付き合う。モデルやタレントが美人なのは当たり前。売れたいという下心ある女よりそんな世界とは無縁な「素人美人」とのベッドインを有難がるのは男の性だが、そんな都合の良い女はまずいないのだ。

 しかし今、Wはゆきという駒を得た。
 言うまでもなくA社の現役OLであり、「人妻」という得がたい付加価値を持つ。量産型港区女子が束になっても叶わぬ美魔女準グランプリというプレミアム看板を背負いながら、あくまで「素人」であり芸能界への野心も皆無。物腰や喋り方もスレておらず「プロの臭み」がないのもいい。そのくせどこか男好きのする恥じらいある所作で、人妻特有の色気を無自覚に放ってしまうタイプの女だ。
 無論、ベッドの上での「肉体奉仕」が極上であることは身を持って体験済み。その上今ではアナルも使えるようになったらしい。
 クライアントのニーズにこれほどマッチした女は他にいない。彼女の「特別な接待」は、ターゲットに絶大な威力を発揮することだろう。

 Wが動かせる女のリストの一番上に、ゆきの名が書き加えられようとしていた――。

  *

『O ゆき殿 ○○年八月一日付けで、貴殿を現職の任から解き、秘書室への異動を命ず。』

 WとVの密談からほどなく、季節外れの異動辞令が発せられた。


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