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義父に犯されて:午前十時を過ぎたなら
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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第四十七章 白い波と天使(画像付)-1





【啓介と同居 四ヶ月目】 
【20●1年4月4日 AM11:00】

数時間後。
海岸で。

※※※※※※※※※※※※※※※

「キャー・・・」
白い波の泡と共に天使が駆けて来る。

薄いブルーのフレアスカートが風に翻り、しなやかな足を覗かせている。
子猫のように瞳を丸くさせて次の波を待っている。

タイミングを計ってギリギリの所まで追いかけていく。
何度も同じ事を繰り返している。

砂浜に腰掛けながら啓介は眩しそうに跳ね回る女を見つめていた。

今朝、恵は一人泣いていた。
肩を震わせる後ろ姿がひどく小さく見えた。

無理も無い。
この不条理な愛を背負っていくほど、心は強くない。

だが、もう戻れない。
今の自分に出来る事は、こうしてジッと愛おしい天使を見守るだけであった。

恵が嬉しそうに手を振っている。
男が微笑みでこたえる。

わからない。
それで、いいではないか。

愛しているのだ。
それだけは確かな事実なのだから。

「アハハ、ハハハハ・・・」
戻ってきた恵が倒れ込むように隣に座った。

広いオデコに大粒の汗が浮かんでいる。
柔らかなショートヘアを靡かせて笑っている。

水平線が遠く一直線に空と交わり霞んでいた。

「あー、気持ちいい。最高ぉ・・・」
春の日差しが眩しい。

人気の無い砂浜は波の音だけが響いている。
二人は少し遠出をして海に来ていた。

今日は恵の好きな洗濯もお休みである。
女は男の肩にもたれながら囁いた。

「ねえ・・・」
男が顔を向けると視線を遠くに向けたまま続けた。

「私達・・・どう見えているかしら?」
そしてイタズラっぽい瞳で見上げてくる。

愛しさが込上げる。
心が溶けていく気がした。

「そうや・・な・・・」
「親子?それとも・・・愛人?」

男の言葉が待ちきれずに恵が聞く。

「そうや・・な・・・」

女はウットリした表情で肩にもたれている。
義父の声が耳元を伝わってくる。

口数の少なさが嬉しかった。
なぜか安心できた。

一旦、喋りだすと止まらないのに。
今日は殆ど口を開かない。

今朝の涙の訳を何も聞いてこない。
いつだって見守ってくれている気がする。

恵は心から甘えられる気がした。
何も考えずに波の中を漂うように。

「私・・泣いちゃった・・・」
「知っとる・・・」

男の腕が肩に廻った。
優しく恵の細い肩を抱き寄せる。

恵は全てを預けたまま呟いた。

「強く・・無いよ・・・」

水平線がぼやけてくる。
男の温もりが心地良い。

「ああ・・そうや・・・」

男が恵に視線を移して言った。
女も潤んだ瞳を向ける。

「恐い・・の・・・」
又、溢れてくる。

今朝、あれだけ泣いたというのに。
男が微笑んで答える。

「そんで・・えぇ。そんで・・・えぇんや」
自分にも言い聞かせるように言っている。

女はもう何も言わず、漂う事にした。
男の腕と頬を伝う涙の温もりに、心を預けて。

震わせる天使の身体を愛おしそうに包む。

それで良いと男は思った。
そう、それだけで。


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