昔の男との邂逅B-1
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ーー ずっとイッてて、壊れちゃうから……! もっと……優しく……して、お願い…!
エナジードリンクを手に、むすっとした顔で理央は休憩室の長椅子に座っていた。
(僕、ばっかじゃないの?! 会社だけじゃ飽き足らず、家でも加奈子のこと抱くなんて)
はぁあああっと大きなため息をつく。
昨晩、会社を後にしたあと、加奈子のことを家でもめちゃくちゃにしてしまったのだった。
そんなとき、休憩室に木綿子がやってきた。
「中村さんに様子みて来いって言われたんですけど〜」
木綿子はいつも購入するアイスミルクティーを自販機で購入すると、理央の横に座る。
理央の鼻腔に、官能的な香水の香りが伝わる。
「今度こそ喧嘩?」
木綿子はペットボトルのキャップを開けて、口に注ぐ。
「加奈子が僕みたいなガキと喧嘩なんかするわけないじゃないですか。まぁ〜〜た、僕が一方的にバカみたいにヤキモチ妬いて、疲れてる加奈子に八つ当たりしたって話ですよ。んで落ち込んでる」
「元気だねえ。今日金曜日だし、お付き合いしましょうかあ?」
落ち込む理央に向かって、にやにや笑いながら木綿子は言う。
「むぅ。飲み行って、行動バレバレで、学習能力ない男だと思われるの嫌なんですけど」
「え? もしかして自覚ないの? とっくにないと思われてるでしょう」
木綿子はケラケラ笑って言う。
確かにそうだ、と思いながら理央は下を向いて、口を尖らせる。
そんな理央のふわふわの頭に、木綿子は手を乗せて、ぽんぽんと叩いた。
「もう僕シジューの男なんだけどなあ。何もうまくできない」
少し長めの襟足に指を巻き付けながら、理央は言う。
木綿子は唇を耳元にずいっと寄せて、ふふっと笑う。
「ヤキモチ妬いてるのはそれとして、……八つ当たりっていやらしいことよね? 中村さんがすっごくイイからしちゃうんでしょ」
耳元で囁かれて、理央は咄嗟に体を引いて、顔を真っ赤にして左耳を手で押さえる。
「か、か、からかわないで下さいよっ。だって、仕方ない……じゃんかあ……あんな……あんな……」
昨夜の会社や、自宅での情事が走馬灯のように思い返される。
何度ナカを突いても足りなくて、自らの腰を壊れそうなほど振りまくると、とろとろのソコは吸い付いてくる。
「ふふ、今日は飲み行きましょ。会社一緒に出ようよ」
「ーーなーんの話?」
ふふっ、と笑って加奈子が休憩室に入ってくる。
「ぶぅぶぅ言ってるから飲み行こっかって誘ってました」
木綿子がニヤニヤしながら加奈子を見て言う。
加奈子はキョロキョロ辺りを見回して、木綿子が座るのとは反対の、理央の隣に腰を落とした。