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熱帯魚の躾方
【SM 官能小説】

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温泉旅行(三)-3

 この後、私は美羽に手紙を書いた。

「美羽へ。先日は、旅行先で色々とお世話になりありがとうございました。卒業、引越、就職と多忙な時を過ごしていると思いますが、元気にしてますか?
 賢い美羽のことだから、旅行中に気づいてたと思いますが、沙莉は中山沙莉というタレント兼モデルで有名なインフルエンサーでもあります。
 もうすぐ、ドラマのクランクインが始まり、ドラマをきっかけにバラエティ番組やドラマ、映画で活躍する女優となっていくでしょう。
 その時、私の存在はスキャンダルの種となったり足枷になったり、彼女の将来への不穏分子となってしまいます。
 そうなる前に別れを告げようと思っています。
 彼女は一時の感情に呑まれ、私との別れを拒むでしょう。しかし、お互いにどんなに辛くて悲しくても、道を分かつべきだと考えています。彼女が私にすがった場合、彼女を傷付けるほどの暴言を吐いてでも、心を鬼にしてでも、その手を振りほどくでしょう。
 その時に傷ついた沙莉を支えてやって欲しいのです。ご存知の通り沙莉には裏の顔があります。この裏の部分を支えてあげないと、彼女は精神的なバランスを崩して、今のように人前で自然に笑うことも振る舞うことも出来なくなるでしょう。
 美羽も気づいたと思いますが、サディストもマゾヒストも大差は無いのです。愛情を伝えていく為にSMプレイという行為が必要な異端者なのです。
 二人の関係が、主従関係になるのか、それとも姉妹、友達や恋人、どうなるのかわかりませんが、深く心を分かち合える希少な存在だと思います。どうか、これからも沙莉を支えてやって下さい。宜しくお願いします。 菰田拓哉」


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