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《魔王のウツワ》
【コメディ 恋愛小説】

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《魔王のウツワ》-1

人にはそれぞれ特徴がある。

例えば、顔や頭脳、身体、性格について…

良い奴もいれば、悪い奴もいる。
目立つ奴もいれば、目立たない奴もいる。

俺ははっきり言って、悪く目立つタイプだ…

※※※

ある晴れた日の朝。
多くの学生が暗い顔をしながら『黄泉山高等学校』、通称『ヨミ高』へと続く道を歩いていく。

原因は分かっている…

この俺だ…

『…怖い』
『…怖ぇ』
『…怖っ』

辺りからはヒソヒソとそんな声が聞こえてくる。

俺の名前は『真桜 鬱輪』。これで『マオウ ウツワ』と読む。

名前の由来は母親に聞いたところ…

『器の大きい子になれって付けたんだけど、器より鬱輪の方が字画が多くてかっこよくね?』

と言うヤンキーばりの解答が返ってきた…

俺の身体は183cmの長身。ガタイもいい。
顔のラインなども悪くないと自分では思っている…

ただ…ただ一か所…神様は何を思ったのか、俺にいらないものを与えてくれた…

神の気紛れ…
悪魔の策略…
運命の悪戯…
遺伝子の反乱…

そんな言い方も出来るだろう。

それは…


目付きの悪さ。


自分でも自覚している…

鏡の向こうに写った男の目は、吊り上がった三白眼。白目がちの瞳は炯々として、常にアブナイ光を放っている。

その目を少しでも隠そうと前髪を下ろしているが、俺の眼光はそんなことでは弱まる気配を見せない。

『はぁ…ホントどうにかなんねえかな…この目…』

心の中で溜め息を吐いた。

俺は父親を知らない。母親は夜の世界で働いている。
若くして俺を産んだ為、まだ40になっていないと思う。

昔、父親のことをこれまた母親に聞いたことがある。

『ねぇ、お父さんってどんな人だった?』
『お父さんはね、背中で龍が踊ってるワイルドな人だったのよ♪』

俺の父親はその筋の人だった…


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