姉のカラダ-4
重なり合っていた唇がゆっくりと離れる。そしておでこを合わせながら健斗は目を開ける。そこには日菜の瞳があった。その瞳に自分の全てが吸い寄せられているような気がした。健斗の日菜への愛が解放された。どう説明したらいいか分からない気持ち…、いや、説明など要らない。一つしかない気持ち、日菜が好きだ、その気持ちが抑えきれなくなった。
「姉貴っっ…!」
健斗は日菜をベッドに押し倒す。そして激しく日菜の唇を求めた。日菜の体に被さり、そして強く唇を押し付ける。無我夢中、その言葉が一番的を得ているだろう。自分がどんな姿で姉を押し倒しているのかも分からないぐらいに、夢中で日菜の唇を求めた。
「んっ…、んっ…」
日菜だって男性経験ゼロの少女だ。興奮する男への対処法など分からない。弟の急変ぶりに驚き、体が強張った。だが目を開き、唇を求めてくる健斗の顔を見て嬉しくなった。お互いを愛する気持ちが一つになった瞬間、そう感じた。本能のまま体を揺らしながらキスしてくる健斗の背中に手を回し優しく撫でる。
(健斗…。)
姉として、そして女としての愛情が解き放たれる。この瞬間だった、日菜が弟に処女を捧げてもいい、そう思ったのは。健斗に全てを捧げ、また健斗の全てが欲しい…、そんな気持ちが閉じられた唇を開かせ、舌を健斗の口の中へと導いた。
(ああ、姉貴の舌が…)
舌の侵入に一瞬驚いたが、姉の性格同様に自分を守ってくれるかのように優しく絡みついてくる舌に安心感を得る。そんな姉の舌に甘えるように舌を絡ませる。
どのぐらい舌を絡ませ合っただろう、愛に溢れたキスに時間を忘れるほどお互い夢中になっていた。やがて名残り惜しそうに、どちらからともなく唇がゆっくりと離れて行く。気持ちが落ち着き少し冷静さを取り戻した健斗。
「あ…、ご、ゴメン…」
我を忘れて興奮してしまった事を謝り体を離そうとする。
「健斗、もう少しこのままでいたい…」
日菜は健斗の背中に回した手に力を入れて抱き合う事を望んだ。
「姉貴…」
健斗も日菜の体を強く抱きしめる。
(ああ、姉貴はいつも俺の事を安心させてくれる…。この感覚、俺、好きだ…)
姉の温もりを感じ、そして安らげる日菜の愛情に健斗も全ての愛情を注ぎ、そして日菜を強く、強く抱きしめていた。