姉のカラダ-2
深夜0時、両親が寝室に入り少し経った後、健斗の部屋のドアに小さな小さなノック音が。
(来た!)
健斗は今か今かと待ち構えていた。落ち着かず部屋の中でウロウロ歩いていた為、まるで椅子取りゲームのようにドア前にササッと歩み寄る。そしてドアを開けると口に人差し指をつけ、シーッ、としながら忍び足で健斗の部屋に入って来た。健斗も音を立てぬよう静かにドアを締める。
(あー、何か緊張する…)
振り向いて日菜を見るのを躊躇う。手には汗をかき、少し体が震えていた。
「健斗、こっち来て?」
小さな声で呼ばれる健斗はゆっくりと振り向き、頬を少し赤く染めながら日菜を見る。するとニコニコしながら手招きをしていた。
「う、うん…」
少し不自然な歩き方でベットに座る日菜の元に歩み寄り、少し離れて横並びに座った。
「いびきかいてだから大丈夫だと思うよ?」
廊下に出た時、両親の寝室からはいびきが聞こえた。両親の寝室と健斗の部屋の間な日菜の部屋があり、一部屋離れているので小さな声で話せばまずは気付かれないだろう。2人は小さな声で話す。
「何してたの?」
ごく自然な表情で話してくる日菜。
「ま、マンガ読んでた。」
日菜の事を考えていたとは言えずに嘘をついた。だがその割にはマンガは全てしっかりと本棚に並んでいる。すぐに嘘だと気付いたが、日菜はそれを追求しなかった。
「そうなんだ。」
そう言って脚をブラブラさせながら正面を向いた。その瞬間、健斗の視線は日菜の体に向いた。その気配に日菜は気付いていた。だがごく自然に振る舞う。
「明日も一緒にお風呂、入ろうねっ♪」
その言葉に少しドキッとしながらも、日菜が決して秘密の行為を止めるつもりではない事を感じて安心した。
「う、うん。」
健斗が答えると、日菜は屈託のない笑顔を健斗に見せた。すると日菜は健斗との距離を詰め体を寄せる。健斗の緊張は高まる。
「ねぇ健斗?」
「えっ?な、何…?」
ドキドキしながら日菜の顔を見る。可愛らしくもあり、そして少し大人びた表情の日菜に心臓が激しく鼓動する。
(やっぱ可愛いなぁ、姉貴って…)
緊張しつつも思わずそう思ってしまった。他人だったなら間違いなく惚れている所だろう。いや、他人でなくても健斗は惚れている事にまだ気付いていなかった。そんな日菜からの一言に健斗はそれに気付かされる事になる。
「キス、しよ?」
健斗にとって衝撃的な言葉が頭の中にこだました。