昔の男との邂逅A-7
とろとろに溶けきったそこは、もう十分すぎるほどに理央のそれを欲しがっている。
柚木一人で家に置いておくことに罪悪感を覚えつつ、このままでは終われなかった。
昨日の昼だってそうだ。
もし絶頂を迎えてしまったらーー咄嗟に声を発したのを思い出す。
ーーね、ぇ、いっちゃったら、我慢できな……くなるから、お願い、抜いて…!
何と卑猥なお願いなのだろうと、改めて恥ずかしくなる。
唇が離れて、お互いの視線が絡まる。
もう欲しくなってしまっているのに、いつのまにか秘部をさらしていた理央は、挿入するのではなくそれを加奈子の脚と脚の間に差し込んで、破れたストッキングとショーツをずらすと腰を振り出した。
「あ、ぁあっ」
もう声が抑えられなかった。
ぬるぬるとした体液のせいで、簡単にペニスが滑る。
理央は加奈子の臀部を掴んで、まるで挿入しているように腰を動かすが、それは加奈子のワレメを滑るだけだ。
「あ、んんっ、ね……ぇ、声が……っ。んん」
激しく腰を動かされているせいで、絶頂に達して充血した陰核が理央のペニスに当たり、じゅくじゅくと爛れ、さらに熱を持つ。
ーー武島くんに……流されそうになったことはあるけど……最後までしたことないよ。感情にまかせた行為がバレて、彼の立場、悪くしたくないもの。彼が大事だから、絶対会社でそんなことさせたくない。
佳織の言葉がふと頭を過(よぎ)る。
加奈子はそんなふうに冷静にはなれない。
もう、欲しくて堪らないのだから。
「ん、んん、また、いっちゃうよ……これ、好き……んんっ」
動く腰を加奈子は引き寄せる。
そして、ペニスを太ももで締め付けて、動きを止めさせて、絶頂を迎える。
「は、……ぁ、理央……気持ち……いい、こんなに……して……。はあ、は……ぁ、も……ぉ、我慢できないよぉ……」
恥ずかしくありつつ、泣きそうになりながら訴える。
「あたし……本間さんと違って……冷静に、断れ……ないよ……。好きな人に……こんなにされたら……会社でも……して欲しくなっちゃうからーーもう意地悪しないで。今日で最後にして。お願い……」
卑猥なお願いをしている自分があまりに恥ずかしすぎて、ぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。
「理央にされたら……だらしなくなるから……」
ぐすっ、ぐすっと鼻を鳴らし、涙を流す加奈子を見て、理央ももう我慢ができなかった。
理央のことを好きだからこそ、流され、さらには自分も快感を求めてしまうのだという告白。
佳織と隼人との関係と、自分たちとの関係が決定的に違うのだと理央は自覚する。
理央はコンドームを装着すると、再びソコにペニスを宛てがい、一気に突き立てた。
「あ、や……ぁ、待って……ん、んぅ、入った、だけで、イッてるっ……」
清潔感溢れる加奈子が、ペニスがすべて収まった瞬間、自らも腰を揺らす。
「やだ、もう、動いちゃ……うよぉ……理央っ、んんっ」