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先輩のセカンドバージンは僕のもの
【熟女/人妻 官能小説】

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昔の男との邂逅A-4

「え?早くない?」

椅子の上に上着を置きながら、理央に尋ねる。
理央は、スポーツブランドのロゴの入ったグレーのパーカーに、黒のレギンスの上からハーフパンツを重ねばきしており、大きめのトレッキングシューズを履いていた。

「ん。迎えに行けるように準備してた」

「ふふ、ありがとう。ちょっとトイレ行ってくるね。もう帰るだけだから少し待ってて」

理央がキスマークをつけたせいで、加奈子は髪を下ろしていた。
白のVネックのカットソーに、黒のジャケットと、揃いのタイトスカート。
髪の毛を結んでいないせいで、座っている理央のほうまで、加奈子のシャンプーの匂いが香る。

どきん、と胸が高鳴る。


ーーホント……は、仕事中に、いつも、加奈子のこと、したい。

最低だ、と思いつつ、理央は部屋から出た加奈子から遅れて、トイレに向かう。

部屋には誰もいなかった。他の部署の部屋もーー電気が消えていたのを確認した。
どきん、どきん、と胸を拍動させながら、女子トイレの入口に背中を縮こませて、立つ。

カタン、と音がしたのが聞こえ、誰もいないであろう階に、蛇口を捻り、水が出る音が響く。

しばらくして、加奈子が出てきた。
入口に立つ理央を見て、加奈子が首を傾げる。

「なあに。待ち遠しかった? 可愛いんだから。迎えに来てくれるだけで嬉しいのに」

まるで子供に話しかけるように、ふふっと笑う。

だが、理央の考えていることは可愛いことではなかった。
加奈子の手を取り、女子トイレに引っ張ると、個室の中に加奈子の軽い体を押し込み、鍵をかける。
背中を個室の壁に押し当てて、加奈子の顔を見つめる。

そして、その体を抱きしめた。

「僕、可愛くなんかない。酷いこと考えてる」

昨日と違って、何とか自分の欲求を口に出してみる。
はじめ加奈子は動揺していたが、理央の背中に手を回して、ぽんぽんと軽く叩く。

「昨日の今日で、呆れてるんでしょ。加奈子」

「女子トイレに連れ込むなんて余っ程だよねえ。通報しようか」

「う……」

「うそうそ。で? 人気(ひとけ)のないオフィスの女子トイレに、あたしを連れ込んでどうしたのかしら、佐藤くん。お話がしたいわけではなさそう」

くすくすっ、と加奈子は笑う。
どきどきしている理央に対して、加奈子は何か性的なことがなされることをわかっているはずなのに余裕そうだ。

「加奈子と……ここでしたい……」

加奈子の耳元で、恥ずかしそうに理央は言う。
その言葉に、背中に這わされる手がびくっと震えた。さすがに、加奈子も戸惑ったらしい。

「ーー昨日した話だよね、仕事中にしたいって」

「うん……」

「理央とするのは好き。だけど、ここ会社だよ」

加奈子は理央の背中を撫でて、落ち着かせようとする。
だけど理央は、加奈子の髪の甘い匂いを嗅いで、耳元で荒い吐息を吐くことしかできない。
何とか、削り取られる理性を保とうとしているがーー


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