side 小百合 12-1
小百合は真治と家に帰宅したあと
冷蔵庫の中身を確認
(キャベツ もやし さといも 人参 だいこん たまねぎ 長ネギ
鶏肉 豚肉 ピーマン はくさい しいたけ…
うーん 鶏肉とさといもとだいこん 人参 しいたけで煮物かな
もやし ながねぎ…そもそもサッポロ一番 ストックあったかな)
小百合はサッポロ一番のストックを確認
(味噌も塩もあるね)
居間でテレビを見ている真治に声をかける
「真治 味噌も塩もあるけどどっち食べたい?」
「うーん しお」
「わかったわ」
再び台所に行き
まずは鶏肉 さといも だいこん 人参 しいたけの下準備をしていき
さといもの煮物を作っていく
(これなら明日持って行けるだろうから多めに作っておこう)
小百合が台所で作業をしていると
小百合の母親が帰宅して
「ただいま」
「おかあさん おかえり」
「真治 ただいま 小百合は?」
「おねえちゃん だいどころ」
真治が答えると小百合の母親が
台所にやってきて
「ただいま 夕ご飯の支度ありがと
それで何作る予定」
「とりあえず、さといもの煮物をいま作ってるところ
下処理したからあとは鍋で煮るだけ」
「ありがとね おかあさん 楽させて貰って」
「ううん 煮物の他はサッポロ一番 塩でアレンジ予定だけど
お母さん 手が空いてるならかつお節で出汁作ってくれない?
昆布は冷蔵庫になかったみたいだから
昆布出汁はできないし」
「あ そう言えば昆布きらしていたね
かつお節でいいのね 4人分だと2リットルぐらい?」
「一人500ならそうだね わたしは
もやしと長ネギをトッピング用に炒めておくから」
「うん」
作業を進めていくと
小百合の父親も帰宅して
「ただいま」
「おとうさん おかえり」
小百合の母親も
台所からやってきて
「おかえりなさい ご飯もうちょっとまってね」
「あぁ 小百合が作ってるのか」
「さといもの煮物はほぼ小百合が」
「1ヶ月で色々料理出来るようになったな」
「そうだよね わたしも助かってる」
両親がそんな会話しているうちに
小百合はもやし 長ネギ 別々に炒めていたり
煮物の方のあく取りをしていた
そうして作業すすめていると母親が戻ってきて
「おまたせ えっと…」
「あ おかあさん かつお節の出汁…のかつお節とったりして」
「うん そのあとは?」
「お酒400沸騰させてアルコール飛ばして
出汁と合わせたあと麺を4袋まとめて茹でつつ
生卵も4ついれて白身かたまる程度に
最後に粉末スープ入れて終わりかな」
「わかったわ それにしても このレシピって?」
「くみこちゃんがさっき昆布出汁で作っていたから
それをかつお節の出汁に変えてみただけ」
「そうなのね 昆布はどんな感じだった」
「おいしかったよ 出汁が利いてて
普通に作ったものと違う印象だった」
「そうなると かつお節の味が利いた塩ラーメンになるのね」
「予想ではそう考えてる 具材 出来たら
ホタテとかえびとか海の幸のせた方があうかも」
「たしかに かつお節だと…魚介類のほうがいいよね うん」
「あと さといもの煮物は多めに作ったから
明日 おさむくんに食べさせる」
「明日の午後 土曜日だもんね そのために多めにしたんでしょ」
「うん」
「わたしがいなくてもここまで出来るようになったのは
すごいと思うしありがたいなぁって助かってる」
「ううん まだまだ アレンジとか出来てないから」
「くみこちゃんみたいに?」
「うん ゆいちゃんも」
「そっか 勉強はともかく料理は
やっていればうまくなるからね」
「うん それは実感してる」
こうして会話しつつ
さといもの煮物と塩ラーメンも作り終える二人
居間に料理を運ぶと
「おまたせ」
「小百合 さといもの煮物ひとりで?」
「うん 味はお母さんに教えられた通りの味付けだから」
「おねえちゃん しおらーめん さっきのとちがう?」
「真治 わかる?」
「においがちがうから」
「うん くみおねえちゃんのは昆布出汁だったけど
なかったからかつお節で作ってみた」
「どれどれ」
小百合の父親が早速
スープを飲んでみると
「うん 普通のサッポロ一番塩ラーメンと違う
かつお節の風味が利いてる感じで」
真治もスープを口にすると
「うん さっきのとちがう これもおいしい」
「小百合 これ おいしいわ
わたしが作ったんだけど レシピは小百合に言われたとおりだし」
「よかった おいしくできて」
「トッピングもシンプルだけど十分だな」
「お父さん ありがと」
「煮物もいつもの味だし うん」
「よかった」
「おねえちゃん ときどきつくって」
「ラーメン?」
「うん」
「わかったわ 留守番してるときに作ってあげる」
「わーい」
(こうやって喜んでくれるのが
料理作ったときの1番の幸せなんだね
今回のかつお節の風味…うまく出来てよかった)
小百合は食べながらしみじみと思うのだった