昔の男との邂逅①-5
「は、ぁ……ん、ダメよ、理央……っ。気持ちよく、なっ……んんっ、ああっ、いく…っ」
加奈子は理央を抱き寄せて、背中を一生懸命そらせながら絶頂を迎えた。
整わない呼吸の中、指はソコに押し込まれたままだ。
理央の背中にある手をずらし、理央の首に指を絡ませる。
まるでその細い指先は先を望むように、いやらしく首を這う。
「んん、理央……意地悪……。こんなの、嫌だと思っても、体が……理央にされたくなっ…ちゃう……じゃない……」
その欲求を示す言葉は、ひどく卑猥だ。
理央は切ない顔をして、また、ねっとりと指を動かし出す。
ぐちゅん、と音を立てたあと、指と、性器の結合部から体液が臀部を伝う感覚。
「ん、ん……理央、もしかして、あたしとしたくて……帰ってきた……？」
理央は顔を上げて、唇をくっと噛むと、こくんと頷いて、すぐさま恥ずかしそうに加奈子の胸に顔を埋めた。
話はあとで聞こう、そう思いながら理央の髪を撫でる。
「んん、……ん。時間……だいじょ……ぶなら……いいよ」
その言葉を皮切りに、濡れた指を引き抜いて、理央は固くなった肉芽に這わせる。
「あ、ぁあっ」
尖りきったそれはあまりに敏感だ。
強烈な刺激に、加奈子は背中を反らせる。
理央は加奈子の身につけるロンTを上にたくしあげると、胸と胸の間の骨ばった肌にべろん、と舌をつける。
幾度もキスを落とし、つん、と上向きになった乳頭を口の中に含み、吸いながら、肉芽をぐりぐりとほどよい強度で刺激する。
「は、ぁ……っ。理央、それ、ダメっ……。同時に、んんっ、ああっ」
腰が震え、乳房を愛撫する理央の頭を力強く抱える。
ぞくぞくと、腰に快感が走る。
時間を確認したいのにーー理性が削られ、快感に身を任せることしかできなかった。
口を閉じようとしても半開きになり、呼吸を整えようとしても、犬のように短く、浅く息を吐いてしまう。
目の前がチカチカと明滅する。
「理央……っ。いく、いくの……っ」
がくんがくんと体を仰け反らせる。
腰が浮いて、理央の体を押しのけようとするほどに。
体を休ませたいのに、理央は浅い呼吸を整わせようとさせてくれない。
唇を奪い、すぐさま口腔内を犯す。
そして、陰核に這う指を、またぐりぐりと動かし出す。
「ん、んぅっ」
加奈子は唇の隙間から、抵抗の声を漏らした。
咄嗟に唇を、加奈子は離す。
「だ、だめぇ、おかしくなっ……ちゃう、も、ぉ、そこはさわっ……ちゃ、やだっ……」
そこは痛いほどに尖りきって、快感に身を任せることを主張している。
だからこそ、理央は指を強めに動かすが、加奈子にとっては強烈な刺激すぎる。
「加奈子、そこって……どこ……？」
はあ、はあ、と興奮した理央がようやく口を開く。
「やだ、言いたく……ない……っ。言いたくないの、わかっ……てるくせに……っ。んん、ソコ、しないで……っ」