妻を他人に (11) 二度目の貸し出し-4
チロ──。
ペロ、ペロ──。
下着姿の女が男の股間に顔を埋め、小刻みに頭を上下させている。
そそり勃つ男の陰茎に舌を這わせ根本から先端までの往復を繰り返し、小さな口をいっぱいに開き亀頭をぱくりと咥え込む。
ペロ、ペロ、チュプ――。
「ぁむ…………ん……ぁむ…………」
チュ――チュゥ――。
Zに手と口でそれぞれ一回ずつイかされたゆきは今、ソファに座り足を広げた男の股の間に正座してフェラチオを行っている。背をまるめ、男の陰茎に両手をそっと添える。
ホックの外れたブラジャーからは乳房と乳首が見え隠れし、もはや男の劣情を誘う以外の用をなしていない。突き出した大きなヒップはいまだ純白のショーツにきちんと包まれているものの、尻肉はわずかにはみ出しほどよく垂れた丸みを露出させている。
しかし最も恥ずかしいのはその尻の奥、愛液に濡れたクロッチ部分である。びしょ濡れの布地はゆきの股間にべったり張り付き、人妻の陰毛と淫肉をくっきりと透けさせてしまっている。そのうえ左右からは「みっともない」としか形容しようのないほど多くの縮れ毛がはみ出し、ゆきのフェラチオの動きにあわせて小さく揺れている。
ペロ、ジュプ――。
「はむ…………ぁむ…………んむ…………」
シュポン――、チュポン――。
クンニを受けたときからもうずっとこの悲惨な状態の股間を晒していたことを知らぬ哀れな人妻は、Zの陰茎を頬張り頭の上下動を繰り返す。
ときおりゆきの美しい髪がはらりと落ちる。それを指先ですくい耳にかけるとゆきの口元が顕になる。どのような美人も、ペニスを咥えた顔は間抜けなものである。小さな口をあんぐり開き、鼻の下を伸ばし、口角には唾液が光る。
「ゆきさんのフェラ顔やばい……エロすぎます、興奮する……」
「……んふふ、やだぁ……んむ……ぁむ」
普段は可愛らしい膨らみを見せているゆきの頬は、陰茎を吸い上げれば滑稽な凹みを作り、咥えこめば亀頭の形に盛り上がる。男性器を喉奥まで頬張れば涙と胃液が吹き出し、ブジュリ、ゴポォとみっともなくえづく。
男はみな、ゆきのような美人がこのような醜態を晒すと興奮する生き物である。本来なら夫の占有物であるはずの人妻が、まったくの他人である自分のペニスを頬張り、その整った顔立ちをいやらしく崩し奉仕するのを眺め、征服感を味わうのだ。
シュポン──ジュルジュルジュル――。
「んぐ……んぷ……んぐ……んぷ……ぁむ……ぁむ……」
とはいえゆきのフェラチオは、あくまで控えめなものであった。寝室で夫が聞き耳を立てている以上、あまり大胆にしゃぶることはできない。夫のものは恋人時代フェラチオに失敗して以来一度も口に含んだことはないし、前回も夫には、Zのモノを咥えてしまったことは伏せた。女性経験の少なそうな夫にはきっと刺激が強すぎる。後ろめたさと羞恥が、ゆきの行為にブレーキをかけている。
Zもゆきがフェラチオを好まぬ女と認識しているのだろう。彼女の拙く控えめな舌使いに文句も言わず、優しく髪を撫で、女性にとって最も恥ずかしいこの行為をサポートしてくれている。
「ありがとう、ゆきさん。気持ちよかったよ」
自らの足元にひざまずくゆきの身体をひょいと抱えあげ、ペニスを咥えたその口に躊躇なくキスしてくる。
ゆきは少し申し訳ない気持ちになった。お世辞かな? 本当はもっとちゃんとしてあげられるのに。
前回も感じたZに対するわずかな気後れが、今日のゆきをほんの少し積極的にさせる。口内に侵入してきた男の舌に自分の舌を少し濃厚に絡めてみる。
「あれ? ゆきさん、前よりちょっと大胆になってる……?」
「んん……知らない……んチュ……チュゥ……」
男の手が人妻のショーツにかけられ、するりと脱がされた。
「本当だ。白ってたくさんの色があるんですね」
クロッチ部分をわざと広げてみせるZ。人妻の汗、愛液、おりもの、さまざまな体液が混ざり合ってできた大きな染み。
「えーっと黄色、クリーム色、あ、見てゆきさん。この部分は薄っすらと茶色になってる……」
「ちょっと……! 怒るよ?」
「黒いのも。ほら」
付着した陰毛を指でつまむ。男女の顔の間で、人妻の縮れ毛がひらひら揺れている。
「だめぇ……! もうZくん嫌い……」
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